名物濃厚こってりソムリエのNO WINE NO LIFEブログ -4ページ目

師匠!生贄になってくれ!

師匠!
生産者側の師匠と
販売者側の僕には大きな立場の違いがあります。
今日ほどこの溝の大きさを感じたことはありません。
僕は日本ワインを売り始めてやっと1年半
師匠のワイン以外根をつめて売ったことがありません。

その一方で
大きな屈辱を味わいました。
シャとーおしっこ(仮)という会社のワインを機嫌良く販売してたところ
このワインは勝沼には縁もゆかりもない商品だということが発覚!
勝沼のシャトーと書いてあるからと通常の「酸化防止剤無添加」ワイン
の倍の価格がしても値段以上のものだろうと喜んでお買い求めいただくお客様を見てきました。

僕は日本ワインに大きく失望しました。

これは日本ワインじゃない国内産ワインだ!

知ったこっちゃない。
日本ワインと国内産ワイン
普段ワインどころかお酒を一滴ものまない主婦が
大好きなお父ちゃんに頼まれて
少しでも健康に良いものをと気遣って購入したものが
大手メーカーのものと何ら変わりのないマガイもの
EUの法制上ワインと呼ぶに堪えないものだったのです。
僕はお客さまに大きな損害を与えてたのです。
以来
お店の一押しとしてスペイン産テーブルワイン396円を店の一押しに据えたのでした。


師匠!
師匠が率いるワイナリーと同じ名前の女優さんがいらっしゃいます。
もし僕が何かの縁で彼女の名前を使って二束三文のワインを
法外な値段で中国の田舎に輸出したら
僕を許してくれますか?
名前というのは神聖なものです。
常に悪意ある者たちからいかにして守っていくのか?
ブランドとして確立していくためには
日々死闘を繰り広げる必要があります。

師匠!
僕はあなたの意見に賛成できないことがあります。

やはりワインの名称に地域名は使用されるべきでないと思うのです。
例えば
今ならシャトー東京の名を取得できるかもしれません。
そして
その名を将来高値で売却するためだけの目的で
申し訳程度の
濃縮還元果汁でつくった模造品を生産することで
ペーパーカンパニーを作ることもできるのです。

師匠!
僕はもっと大きな話がしたい。
あなたの作った10万円のワインが
一泊100万円のラグジュアリーホテルで引っ張りだこになっているところが見たい。
ミシェルロランの年収が20億だそうですが
そんなはした金!
と切り捨てられる師匠が見たい。
ブルゴーニュではユドロノエラ、グロF&S、アメリーベルトー
など
20代でワインサーチャーのパワーリストにエントリーする
まさにザンファンテリブルがいますが
師匠の下にはもっとイカツイザンファンテリブルが
雨後のタケノコのように競い合ってるとか言ってほしい。

日本ワイン
僕は基本師匠のワイン以外口にしないし、売っていくこともありません。

だからこそお願いします。
師匠!今は次の世代ファースト!
稼げない過去は切り捨てる勇気を持ち
明日の伝統のために大きな変化を受け止める。
先のシャトーおしっこ(仮)とかはただの生贄として消えていくかもしれませんが
師匠の仕事は形を変えて残っていくと思うのです。

今の日本ワインの規模を現状維持していくだけでよいのなら僕は師匠の考えに賛成しますが
2020年の東京オリンピックに向けて飛躍を望むなら
それでは間に合わないと思うのです。
和食の市場が飛躍的に拡大し
それに伴い日本酒の市場が拡大し
それに伴い
例えば日本ワインの生産量を10倍
輸出金額を100倍
とかにしようと思ったら
残念ながら政府案は正しい。
インターナショナルスタンダードに合せるしか道はないと思います。
師匠!
次お会いした時
命がけで論じ明かしましょう!