「ハロルドが笑うその日まで」
「アリスのままで」の2本を観ました。
ハロルドは、IKEAができるまで町で愛され続けた家具屋さんの店主。
アリスは、大学の言語学の教授。
どちらも「失ってしまう」物語でした。
職、大切な人、記憶。
ハロルドのほうは、じんわりする物語でもあり笑いもあり。
アリスのままでは、痛々しさを目の当たりにする。
形は違えど、人生を描いたドラマでした。
さてさて。こっからちょっとだけ感想みたいなものを。
大学の講義で聞いたのですが、人は、他者との比較の中で自己を認識できるのだそう。
たくさんの違うものから、動かぬ核をみつける。
でも、その動かぬ核ってなんなんだろう。
仕事や人間関係、記憶はいつかはもしかしたら失ってしまうかもしれない。
今の自分にとっては核なのだとしても、将来的にそれが核足り得るとは限らない。
そうなのだとしたら、自分を自分たらしめるものって?
今まで生きてきたという事実?
抱えてきた思い?
もしかしたら、動かぬ核なんて存在しなくて、みてきた「私」は、私がそう思い込んでいただけなのかも。
証拠なんてないのだから、思い込むことでしか、私は私を確立できない。
それでいいとも思う。だって、信じ込まなければ生きていくのはとても難しくなる。
もし、「私」が揺らいでも、生きていけるのならそれでいい。
アイデンティティは、揺るがぬものだって思いがちだけど、どちらでもいいんじゃないかな。
私が安心して生きていけるのなら。
失うのが怖いもの。確実にあるって言いたいもの。すがりつきたいもの。
自分を自分たらしめるもの。
それが揺るがされることは、とても不安に襲われる。
だから、揺るがされることもあるんだってなんとなくでもわかっていれば、いつかがきたとき、その変化を少しでも受け入れやすくならないかな。
不安ばかりの世界では悲しすぎるから、少しでも前を見られるように。
というわけで、2つの作品をみて考えたことでした。
うまく言葉にはまとめきれなかったけど。