「あー…もぅ…ホント、ごめんねー」
先程で迎えてくれた青年が頭を抱えると苛立ったように靴音を鳴らして国王に近づく。
そしてニッコリと微笑むと背中を思いきり叩いた。
それもキュヒョンが思わず「痛っ…」と呟くくらいの勢いで。
そしてニッコリと微笑むと背中を思いきり叩いた。
それもキュヒョンが思わず「痛っ…」と呟くくらいの勢いで。
「…っ! いってーなっ!! 何すんだジョンス!」
ジョンスは今度は山のように机に積まれた書類をバンバンと叩く。
「仕事をしろよ! まったくっ!! そんなものは寝る前にでも作ればいいだろ!?」
「そんなものとはなんだ! いまや製造してない幻の型番だぞ!?」
「へー、すごいね」
「そんなものとはなんだ! いまや製造してない幻の型番だぞ!?」
「へー、すごいね」
どれだけ芝居が下手な役者でもそれはないだろう、という感情の全く入らない棒読み状態でそう言い切ったジョンスはヒチョルの手からプラモデルを取り上げると、その手にペンを握らせた。
「宇宙一の大スターになったつもりでサインしまくれ。心配しなくてもここの書類は全部認定書類だ」
「そんなこと解ってんだよ。誰が認定したと…」
「だよね。でも目を通して言うだけじゃ何もならないんだよ?ちゃっちゃとサインしろ」
「そんなこと解ってんだよ。誰が認定したと…」
「だよね。でも目を通して言うだけじゃ何もならないんだよ?ちゃっちゃとサインしろ」
くっそーとかなんとか文句を言いつつもペンを走らせ始める国王に溜息を吐いてジョンスはキュヒョンをみて苦笑いを浮かべた。
国王に対してこの扱い。
この人は一体何者なんだろう。
とても王子という感じではない。
キュヒョンが首を傾げたところにクスクスと笑う声が聞こえて振り返る。
国王に対してこの扱い。
この人は一体何者なんだろう。
とても王子という感じではない。
キュヒョンが首を傾げたところにクスクスと笑う声が聞こえて振り返る。
「相変わらずですね、父上」
「あー?うるせぇぞ。お前はどこに行ってたんだよ」
「あー?うるせぇぞ。お前はどこに行ってたんだよ」
隣に並んだ男にキュヒョンは目を瞬かせた。
父上…ってことはこれが王子…?
はぁぁぁあああああ!?
どーゆーこと!?
頭の中はパニックになっているものの、それは全く表に出ることはなく、その代り相手の顔をまじまじと見つめてしまった。
堀の深い顔立ちをした正統派の美丈夫だ。
自分とも国王とも年齢差はさほど感じない。
相手は相手でキュヒョンの顔を見て少し驚いた様子で目を瞠ったあと蕩けそうな笑顔を作った。
父上…ってことはこれが王子…?
はぁぁぁあああああ!?
どーゆーこと!?
頭の中はパニックになっているものの、それは全く表に出ることはなく、その代り相手の顔をまじまじと見つめてしまった。
堀の深い顔立ちをした正統派の美丈夫だ。
自分とも国王とも年齢差はさほど感じない。
相手は相手でキュヒョンの顔を見て少し驚いた様子で目を瞠ったあと蕩けそうな笑顔を作った。
「ようこそ、我が国へ。姫」
「…あ…初めまして…シウォン王子」
「…あ…初めまして…シウォン王子」
相手の名前くらいは覚えてきたものの、こんなに複雑な環境ならもっと調べてから来るんだったと後悔しつつお辞儀をするとシウォンは困ったような表情を浮かべる。
「初めまして…でもないんだけど」
「…それは…失礼いたしました…」
「…それは…失礼いたしました…」
流石にレイナとの間のことまでは調べようもない。
彼女自体も「会ったことのない人との結婚などごめんだ」と言い切っていたくらいだし。
彼女自体も「会ったことのない人との結婚などごめんだ」と言い切っていたくらいだし。
「いや、気にしないで…。ほぼこっちが一方的に見てただけだし」
「…えっ、と…」
「成人の儀のお披露目の時にね。招待されていたから」
「あぁ…」
「…えっ、と…」
「成人の儀のお披露目の時にね。招待されていたから」
「あぁ…」
キュヒョンの国では王家の人間の血筋にだけ特別な能力が備わっているが、それは男性にのみ現れ女性に受け継がれることはない。
そのため王位継承権の順位がどれほど低くても男性が他国に婿入りすることはない。
しかし女性は別だ。
他国に嫁ぐことも厭わない。
そのため成人した際には近隣諸国の王家の人間を招いて大きなパーティーを催す。
それに関しては自国だけでなくどこの国でもやっていることではあるのだけれど。
そのため王位継承権の順位がどれほど低くても男性が他国に婿入りすることはない。
しかし女性は別だ。
他国に嫁ぐことも厭わない。
そのため成人した際には近隣諸国の王家の人間を招いて大きなパーティーを催す。
それに関しては自国だけでなくどこの国でもやっていることではあるのだけれど。
「つまらなさそうに窓の外を見てた」
「そう…でしたっけ?」
「そうだよ」
「そう…でしたっけ?」
「そうだよ」
ふふっと笑ったシウォンが一歩国王に近づいたその時。
ふわりと漂った匂いにキュヒョンは首を傾げる。
先程嗅いだ匂いだ。
もしかして自分の着ているものにでもついたのかとも思ったがシウォンの髪からだ。
ふわりと漂った匂いにキュヒョンは首を傾げる。
先程嗅いだ匂いだ。
もしかして自分の着ているものにでもついたのかとも思ったがシウォンの髪からだ。
「煙…?」
「え?」
「煙の臭いが…」
「え?」
「煙の臭いが…」
それを聞くなり大きく溜息を吐いたのはジョンスだ。
「シウォナ…防火帯作りにいってたね?」
「えぇ…と」
「大事な事だし悪い事ではないけど、一国の王子だってことは自覚してよ」
「はい」
「えぇ…と」
「大事な事だし悪い事ではないけど、一国の王子だってことは自覚してよ」
「はい」
シウォンは自分の腕を挙げて鼻先に持って来るとすんと鼻を鳴らした。
「バレないようにシャワーを浴びたんだけどな」
その様子が悪戯が見つかった子供みたいでかわいらしく感じたキュヒョンはくすりと笑う。
「髪からします」
「あぁ、乾かす時間がないと思って髪は洗わなかったな…。しまった」
「あぁ、乾かす時間がないと思って髪は洗わなかったな…。しまった」
自分たちがこの国に入ることは極秘になってはいても、隣国からの客が通ったというのを聞いて慌てて帰って来たのだろう。
この国も、この人たちも悪い印象は全くうけない。
レイナにとっては悪い縁談ではなさそうだ。
とりあえず顔合わせは出来たとばかりにジョンスがにっこりと微笑む。
この国も、この人たちも悪い印象は全くうけない。
レイナにとっては悪い縁談ではなさそうだ。
とりあえず顔合わせは出来たとばかりにジョンスがにっこりと微笑む。
「さて。じゃあ君たちの部屋に案内するね」
「君たち…ですか?」
「そうだよ。侍従の…えっと…」
「ジョイと申します」
「君たち…ですか?」
「そうだよ。侍従の…えっと…」
「ジョイと申します」
スカートの裾を持ち上げて挨拶をするジョイに「いい名前だね」と微笑んでジョンスはチャンミンに視線を向けるとチャンミンも敬礼して自分の名前を述べる。
「ジョイさんには今まで通り姫のお世話についてもらいたいんだ。知らない土地で急に侍従が変わるのも精神的には辛いと思うし、護衛も必要だとは思うしね。だから姫の部屋は待機部屋が二つあるところになってるから。そこを使ってね」
「ありがとうございます」
「これから二か月の間は色々学んでもらうことがあるから…花嫁修業期間とでもしておこうか。僕は教育係とでも思ってて。その間シウォナが絶対手出ししないよう監視してるから安心してね」
「ちょっと…人聞きが悪い事言わないでください」
「ありがとうございます」
「これから二か月の間は色々学んでもらうことがあるから…花嫁修業期間とでもしておこうか。僕は教育係とでも思ってて。その間シウォナが絶対手出ししないよう監視してるから安心してね」
「ちょっと…人聞きが悪い事言わないでください」
シウォンが慌てた様子でそう言うとジョンスはくくっと笑う。
「二か月の間にどうしてもこの国に嫁ぎたくないって思ったら逃げてもいいから」
自分の母親と同じような事を言われてキュヒョンは目を丸くする。
なんだ、この人たちは。
なんだ、この人たちは。
チャンミンの肩が微妙に揺れているのは気のせいじゃないはずだ。
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D-470 お休みしてすみませんー。
四月までの間何回かお休みする可能性が高いですが、ぬるく見守ってやってくださいー