
キノコをざるで洗っている人に出会った。
ヤナギタケというそうだ。ナメタケの親玉みたい。
キノコが採れるのは秋だと思っていたが、このキノコは年に4回採れるそうだ。
柳の生木や枯木に寄生するからヤナギタケというようだが、関西で今の時期に食えるキノコと言えばサマツくらいしか知らないな。
柳は水辺に自生するから、カヌーイストであるこの人にはなじみのあるきのこだそうだ。
刺身でも食べるそうだが、このキノコをおいしく食べられるように調理できる人はキノコ採集する人の中でも10人に一人くらいだろうということだ。
切り口はマツタケやシイタケと同じようにおいしそうな白い色をしている。あまり香りはしないが、少し大根おろしのようなにおいがする。
酒の肴に良いと言う。
海でも山でもその道の通にとっては酒の肴には不自由しないようだな。
しかし今の時期スズコやキノコを求めて藪や沢に入り込むのはクマが怖いね。
俺も山菜やキノコを求めてよく林道を走って、藪や沢に入り込むが、クマには気を付けよう。
中国山地の林道は舗装されているところが多いが、林道だからそんなに広い道ではない。
数年前に舗装されたある林道だが、舗装されているから四駆ではない普通の乗用車でも走れる。
林道に入ってから10数キロ走ったあたりに、切通しになって谷側に大きな松の木が3本生えているところがある。少し広くなっていて車を止めることができる。
松が有るから、マツタケはともかく、シバハリ(アミタケ)でもないかと5mほど登って行った。
登りきって下から見えなくなった松の近くには下草もなく一畳ほどの平らになっている場所がある。
マツタケもシバハリもなかったが、四つ折りにした5cm四方のティッシュペーパーの花ががあちこちにペタペタと咲いていた。
ティッシュペーパを4回折りたたむと5cmくらいの正方形になるのをそのときはじめて知った。
まぁ、そこまで十数キロ車をとめる所がなかったからね。