私の母は、北海道で銀行員として働いていて、父に出会った。
当時の私の父は、働きながら通信制高校に通っていて、
母がよく父の課題を代わりにやっていたようだ。
私の父は、あたたかい家庭の雰囲気をまとった女性に惹かれ、
母親に結婚を反対された中で結婚した。
私の父と祖母の間でしばらくわだかまりがあったようだ。
父は器用貧乏でいろいろな仕事をしたが続かず、
北海道は仕事も少ないため、
1歳の幼児である兄と胎児の私を引き連れて関東に引っ越してきた。
子育てをする前の私が、この話を聞いた時は、
「ふーん。大変そうだな」という感想だったけど、
子育て経験後は、
「これはやばい。大人の余裕はまずないし、必死過ぎる環境だから、子どもを受け入れる余裕なんて欠片もなかったろうな」と思う。
私は、子どもを抱えた移民第一世代の必死さや家庭の混乱を、
子供の立場で経験した。
だから、自分が移民の第一世代になると考えると
私の中のインナーチャイルドがざわつく傾向がある。
父は、仕事があれば何でもいいと手あたり次第探し、
市のごみ収集の仕事、公務員の試験、色々試して、警察学校に入ることになった。
父が警察学校でトレーニングを受けている間、
母は慣れない土地で、幼児と乳飲み子を抱えてワンオペ育児。
しかも2番目の私は超繊細な赤ちゃん…
想像を絶する世界。よく手はあげずに育てたな。
母は私のことが理解できなさ過ぎて、悩みすぎて、占いに希望を見出した。
私のコツコツ勉強するマニアックさは母譲りだと思う。
母は、占い師として開業できるまでの知識を身につけた。
最近まで「占いに逃げる母は弱い」と思っていた。
でも、子育てを終えて、インナーチャイルドワークをあらかた終えた今は、
「母の知識の深さ、占いへの強迫性は、私のことをわかりたいと思った気持ちの強さと同じ、彼女がそれだけ不安だったんだな」と思うようになった。
私も子どもに自尊心をもたせたいと、脅迫的に福祉や教育を学んできた。
私の知識の深さ、教育への脅迫性は、
私が息子を「自尊心と自分軸のある子に育ってほしい」という願いの強さ、私が抱える大きな不安が発端になっている。
不安由来で動いている時は、自分自身と向き合っているので、
相手のためになる、相手のニーズを把握した行動はとれない。
自己満足でしかないんだよね。
だから、不安が強ければ強いほど、相手に重荷になる言動をとってしまって、
この人と一緒にいるとしんどいと子どもに思わせてしまう。
この点でも、私と母はよく似ている…
私は子どもに自尊心をもってもらいたい、
自分軸で生きていけるようになってほしいと願ってきたが、
愛情だけでは足りないということがわかった。
不安由来の言動は実を結ばないから、
私がすべきことは、「本を読んで教育方法を学ぶ」ではなく、
「自分の不安の正体を確かめて、記憶を安全に取り出せるようにする」ことを先にする必要があったんだ。
子育てが終わった今、
子どもが自尊心をもって自分軸で生きていけるようになるには、
以下のような条件があると育ちやすいんだろうなって思っているけど、
どうだろうか…
・経済的にある程度の余裕があること
・親が日常的に相談できる人をもっていること
・親戚や友人など子育てを物理的にサポートしあう環境があること
・HSP気質の子どもをHSP気質の親が育て、その親が周りからサポートされていること
・親の無力感・劣等感が薄いこと
・親が人生の傷を癒す習慣があること
・子どもが愛されている頻繁に感じられる生活習慣があること(子どもの成長動画を誕生日に鑑賞会するとか、お遊戯会のダンスの動画を親がちょくちょく見ているとか、写真が飾ってあるとか、子どもの作品を飾っているとか、「私はあなたが大切なので」「あなたの存在が大きくて」とことあるごとに伝えているとか)
・子どもにどちらがよいのかを問い、考えさせ、選ばせ、結果を引き受けさせるサイクルがあること
私の両親は、3人の子どもを連れて、
慣れない土地を数か月~3年程度で転々とする生活を送った。
彼らは、酒やたばこに依存しながら、必死に生きてきた。
次は私の目線で、自分の育った家庭を振り返ってみよう。