伝統的な識者はメイウェザーの熟練した防御技術と、パッキャオの無慈悲な攻撃力の
対決を予想している。しかし、伝統的な識者の予想は、伝統や権威などが何の意味も持たない非情な現実の前にたびたび覆されてきた。
今回の対決に酷似したメガファイトを1981年に我々は経験している。今回同様、世界最高のボクサーを決定する対決、そしてやはりウェルター級の統一戦。シュガー・レイ・レナードの技術とトーマス・ハーンズのパワーの激突とほぼ全ての識者が考えた試合は、真逆の展開を見せる。
何故、鉄板の予想が反転したのか?レナードのファイターとしての技術とハートは多くの専門家が考えていたレベルよりもはるかに優れていた。一方のハーンズも誰もが想像もしていなかったほどの洗練されたボクシング技術を持っていた。二人はチェスのようにパンチを並べる英知と、崖っぷちでパワーパンチを交換する技と勇気を持っていたのだ。
では、今回の二人はどうか?メイウェザーが凶暴な攻撃力を持っていること、パッキャオがアウトボクシングの稀代の名手だということは誰もが知っている。この二人もあらゆるカードを持っている。
パッキャオの波状攻撃に、序盤のポイントを失ったメイウェザーが凶暴なカードを切ってくる可能性は高い。そのとき、パックマンはハーンズのように防御のカードに差し替えて対抗するのか?それともさらに攻撃のカードを繰り出すのか?
この二人の試合が単調なカードの交換で終わるとは思えない。名勝負になる可能性と期待が膨らむ。
