今日は野暮用で妻と私の実家に行った。

実家には母とゴロ〜さんが暇を持て余している。私達の声が聞こえると何処からかゴロ〜さんが姿を見せる。

まずは挨拶代わりにスリスリ。
母と二人でいる時は殆ど日溜りの縁側から出て来ないそうだ。
妻が私の実家に来たのも久しぶりだったのでゴロ〜さんも嬉しかったのだろう。

暫く話をして野暮用を済ませると出掛ける事にした。
母が肌着を買いたいと言うので衣料品店へと向った。妻がサポートして気に入った物が買えたらしい。
夕飯を何か買って行こうと母が言い出したのだが、夕飯は鍋をする予定なので既に具材は買ってあった。
妻が母を誘ってみたらと言ってくれたので「今日はウチは鍋をする予定なんだけど一緒にどうだい」と言うと母は照れ臭そうに「鍋かい、いいねえ」と・・・。
「それににくちゃんにも会いたいしねえ」と不敵な笑みを浮かべた。
「もちだろうが❣」と私が言うと母はハニカミババアになっていた。
家に着くと暫し母の話を聞いていたのだが最近言葉がなかなか出て来ない母の喋りは三倍から四倍の時間を要するのだ。
しかも話が変わっている場合もあり慣れないと愕然としてしまう。
言いたい事は分かっているのだろうが言葉の出ないジレンマに母も笑うしかないみたいでいつまでも笑っている。
そしてもちさんと遊び始めた。

もちも久しぶりの母に戸惑いながらも相手をしている大人のもちさん。
「もちちゃん、ホラホラ」と手をかざしている母をもちは完全無視❢
その間、妻が鍋の用意をしていると母は気を遣ったのか?バツが悪かったのか?
「私は悪いからやっぱり帰るよ」と言い出した。「大丈夫だよ」と私が言うと母は「男には分からないんだよ」とドラマの主役きどりのセリフを言ったが、私は面倒なので無視していた。
妻の用意が終わり鍋が運ばれて来ると母は「美味しいんね。野菜の煮方が良い加減だね」と妻の機嫌を取りながらも嬉しそうに鍋を頬張っていた。
そして喋りに火がついたように・・・。
暫く話をして気分が良くなったのか「そろそろおいとまするよ」と、誰も止めなかった。実家までは私が送って行くので母は平然ともちに帰りの挨拶を交わしていた。

「また来るからねにくちゃん」
「にくじゃねえよ。私はもちだよ」