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【劇場アニメ鑑賞】銀河英雄伝説 Die Neue These 激突



「激突」も、第一章から第三章までの長征9週間が終わりました。
一章づつ順番にアップすればよかったんでしょうが、映画鑑賞の感想をアップすること自体が「ミッドウェー」からずっとご無沙汰でしたので・・・(^^;





この「激突」で語られるあたりは、両陣営ともにいよいよ混迷の度合いを増してくる、物語前半の山場でもあります。
イゼルローン要塞を抜いて回廊を通ることが出来れば、クーデターによる軍部の弱体化の影響から立ち直っていない同盟軍には、帝国軍を押し戻す力など無く、ハイネセンまで一気に到達できると確信しているラインハルトにとって、そのイゼルローンにヤンが居ることが一番の障害でしょう。
そこで自分と同じ発想が出来ない部下に苛立ちを覚えつつも、まだ余裕を見せているラインハルトですが、はたして・・・?
というところで、帝国側では、キルヒアイスの死後に人が変わったようになっていくラインハルトを中心に物語が進みます。
同盟側では、トリューニヒトの勢力拡大と背後にある地球教の存在や、フェザーンに簡単に転がされる軽さと芯の無さを含めた政治腐敗、などを中心に話が進みます。





次々と内政安定の策を打ち出して民衆の支持を得るラインハルトに対して、完全に政治を私物化しつつあるトリューニヒト政権の腐敗堕落の対比。
門閥貴族というお荷物を一掃することが出来たのと引き換えにキルヒアイスという名参謀を失ったことで軍事的に停滞気味、更にオーベルシュタインの暗躍も絡んで混沌とする帝国軍と、クーデター後に民衆の信頼を失った軍部に浸透した利権政治家から、存在自体を恐れられるようになって何かに付けて邪魔をされるようになったヤンに代表される同盟軍良識派の対比。
キルヒアイスの死前後でのラインハルトの変貌ぶりを、ラインハルトとミッターマイヤー達の出会いのエピソードなど、原作では外伝で語られていた内容も取り入れつつ、同陣営内でも対比を見せるなど、複数の対比を軸に、裏から地球教やフェザーンが絡んできます。
併せて、今後の展開で軸となるキャラ達のエピソードを随所に挟みながら、イゼルローンとガイエスブルグとの要塞対要塞という、想像を絶するスケールの戦闘が一山超えた所で「激突」は終了となりました。


第三章上映後には、一部から「そこで切る?」や「まだ終わらなかったかぁ・・・」といった声も聞こえてきました。
第三章上映後の予告映像では、イゼルローン対ガイエスブルグの決着や、いよいよユリアンの長期出張が始まることと、皇帝誘拐事件の始まりが示唆されていました。
具体的な上映スケジュールも明記されていましたので、これで少なくとも第4クールまでは予定通りに製作されたことになります。

原作が完結したのは前回、と言ってもはるか昔ですが、通称「石黒版」(「OVA版」や「キティ版」と呼ぶ人も居ます)の製作発表が行われたのと、大体同じ頃だったと記憶しています。
そうすると今、Die Neue These で初めて銀英伝に接したというファンの方もたくさん居られると思いますので、これ以上深いことは書きませんが、この先「え、あの人がそうなるの?」というような展開がいくつも続きます。

前述の石黒版では最終的に、本編と外伝を合わせて全165話という超大作になっています。
しかもコレ、うち3話は劇場公開作品なので、全てをテレビ放映の尺に収めるなら、おそらく170話程になるはずです(^^;
パイロット版的な意味を込めた「我が征くは星の大海」が出た当時、全部をアニメ化するなら大河ドラマ並みの時間を覚悟しなきゃね、なんて笑っていたものですが、大河ドラマの1時間級という尺で考えるなら、年末年始を含めて毎週必ず放映したとしても、30分級の尺に換算して104話分までしか放映できませんから、1年では不足します。
朝ドラ枠(15分級の尺)も追加して「大河テレビ小説」(笑)にして、ようやく1年分です(笑)
そういえば Die Neue These は、「星乱」の公開後にNHKが24話分をまとめて放送していましたが、第3クールも流すのかしら?


なにはともあれこの Die Neue These も、原作の進み具合を勘案しても、おそらく今でようやく3割消化、といった所ではないでしょうか。
アニメ化自体が、まさに「長征」ですね。



~ 続劇 ~