5月から、腕を骨折してました\(^o^)/
まだ不自由だけど、だいぶ動かせるようになったのでヤレヤレです。
読んだ本の数:1
読んだページ数:126
ナイス数:20
春琴抄 (角川文庫)の感想
歳下の、気性の荒々しい盲目の春琴に付き従う佐助の原動力は、美しき存在を絶対とする信仰心だった。それ以外の事情や苦労は隅に追いやった。滅私ここに極まれりという行動にも見えるが、佐助にとって春琴の側で生きることこそが至高なのだから、滅私と言うのは違う。春琴の顔が爛れた時に佐助が己の目を潰したことからもそれはわかる。佐助は自分の抱く理想の春琴の像を崩さないために、視覚を犠牲にしたのだ。そこにあるのは美に対する常軌を逸した執着だ。極端なまでのエゴの現れだ。耽美に溢れる谷崎潤一郎の世界は、こうした偏執に支えられている。
読了日:06月03日 著者:谷崎 潤一郎