メモだよ。
数回にわたってお届けしてるメモ。
2016年発売『超現代語訳戦国時代』にまつわるお話。
畳み掛けるけど、この新刊に関して秘密の話を繰り広げる非公開グループがコチラ↓
名前の通り8.19に向けて会議進行中(今日だね)。
それは入ってからのお楽しみということで。
さて、前回からの続き。
幻冬舎の編集者・袖山さんから届いたLINEにぶっ飛ぶ房野。
袖山さん「本にしたいです!」
(前回はコチラから↑)
完全に舞い上がった僕の脳内は、
「本にしたいって……本にしたいってこと!?」
まったく整理がついてない状態。
フワフワしたまま、それでも喜びのLINEを返します。
房野「袖山さん読んでくれてたんすね!本当に嬉しいです!! 本にしたい……夢のようなお話……」
袖山さん「まず幻冬舎plusっていうサイトで連載してみるのはどうですか!?」
具体的な話早っ。
本にしたい意向を伝えたのち、2ターン目でウェブ連載をすすめてくる敏腕編集者。
それが袖山満一子だ!!
夢にも思ってなかった展開に、慌てながらもニヤつきが止まりません。
ただ、ちょっとだけややこしいのが、
このときほぼ同タイミングで、
違う出版社の方から
ウェブ連載の話を頂いていたんです(こちらもゆくゆくは書籍化を目指すやつ)。
何者でもない自分が、どちらかの出版社さんを選ぶなんて、偉そうすぎて首をすくめたくなるような出来事。
が、現実問題どちらかに決めないと……。
うーーーん…………。
と悩んだのは、数秒の間。
いや、実は1ミリも悩んでないのかも。
LINEをもらった時点で、
「袖山さんにお願いしよう」
という考えが、ボンヤリ浮かんでいたからです。
なぜなら、
僕は袖山さんの人となりを知っていたから。
袖山さんとのお付き合いは、袖山さんが西野さんの絵本を担当されてからなので、この時点でもう9年、10年(それなのに連絡先交換は数日前ww)
直接お仕事をご一緒する機会はなかったものの、西野さんの横でちょこまか遊んでいた僕は、袖山さんの仕事っぷりをずっと拝見していました。
良いニュースに、あれだけハッピーなリアクションをする人を知りませんし、
超絶集中マシーン西野亮廣に、あれだけ付き合える人を知りません。
だから、ずっと思ってたんです。
この人、
根性と熱量ハンパねーな
って。
言い方間違ってるかもしれませんが、こんなに"希少価値が高い"人、滅多にいるもんじゃありません。
それなら、お仕事ご一緒してみたいじゃないですか。
自分の作ったものに携わってもらいたいじゃないですか。
というわけで、僕は袖山さんにお願いすることにしたんです。
(お断りしておきますが、もう一つの出版社の方もすごく誠実でいい方でした!)
そうと決まれば、幻冬舎plusでの連載へ向け猛進するのみ。
(今は『超現代語訳幕末物語』の全文公開やってるよ→「幻冬舎plus」)
社長の決済が無事下りて、あれやこれやの準備を済ませ、いよいよ連載開始です。
正直言っちゃうと、僕的には「"お披露目"ができればいい」という心持ちでした。
いきなり本になる前に、ネットからみなさんへ
「房野って言います! こんな文章書いてます!」
というようなご挨拶が出来ればそれで十分。
一切手は抜かないけど、下準備のためのウェブ掲載。
そんな感覚で挑んだんです。
ところが……
予想外の超プチバズり。
ガッツリ端折っての結果報告になりますが、
完全にいい調子でした。
なんと、人気記事ランキングで1位を取ります。
これには、僕も袖山さん嬉しい悲鳴。
感謝すべきは、連載までいろいろな準備をひたすら頑張ってくれた袖山さんと、
『真田丸』
です。
実はこの年のNHK大河ドラマ『真田丸』(堺雅人さん主演)が、巷でなかなかの大ヒット。
視聴率こそモンスター級とまではいきませんが、SNSやネットニュースが『真田丸』の話題で溢れかえるほど、エグい人気を獲得していたのでした。
そこに便乗した、袖山さんの策略。
上記の写真のタイトルをご覧ください。
これ内容は"応仁の乱"のことを書いてます。
メチャクチャ関係ないけど、
"ドラマ「真田丸」より面白い!?"
これで一本釣りです。
利用できるものは、余すところなく利用する。
それが、幻冬舎を代表する敏腕編集者、、
袖山満一子だ!!!
その後、Facebookで書いていた『真田』のお話をアップしたもんだから、
流れは完全にこっちのもの。
2〜5位までが自分の記事で埋まるという快挙を成し遂げます。
本当にありがたい。
ただ、
僕は、これでも十分すぎるくらい嬉しかったんですが、袖山さんは納得いってなかったみたい。
『日本に蔓延するセックスへの絶望』
という記事に1位を奪われたことが悔しかったのか、袖山さんから
袖山さん「マジでセックス強いですね」
という、変なLINEが入ってきました。
房野「袖山さん、笑かさないで下さい!」
袖山さん「1位取れなくても負けてるのがセックスって美味しいですよね\(^o^)/」
房野「いやセックスに勝ち負け挑んだの初めてです!」
袖山さん「ライバルはセックスですよ!房野さん!」
房野「戒律厳しいお坊さんじゃないんですから!できれば共存していきたいです!」
今振り返っても不毛なやり取りの応酬。
僕らのバカげたやり取りに"セックス"も呆れたのか、1位の座を譲り……
ついに1〜5位独占を果たすことができたのでした。
話は前後します(絶対にします)。
まだ幻冬舎plusの連載が始まる前のこと。
初回の連載へ向けて、細かいやり取りを重ねる僕と袖山さん。
微に入り細を穿った文章の修正には、一切の妥協がありません(盛ってます)。
そんな中、僕はある人とコンタクトを取ったんです。
"本"というものに関してのエキスパート。
さらに、
昔からお世話になっている一年先輩。
我らが芥川賞作家。
ピース又吉さんです。
こんな身近に芥川賞作家がいるという奇跡。
これから本を出そうという自分が、アドバイスをもらわない手はありません。
西野さんに又吉さん。
僕が思う、後輩のために一生懸命になってくれる先輩の二大巨頭です。
余談ですが、お二人とも吉本の1年先輩にあたりますが、ここに房野を加えた3人が1980年生まれの同級生。
とんでもない同級生だなと思いますし、ギリ先輩でよかったなとも思います。
もしお二人が後輩だったら、あくが強すぎて可愛がる自信がありません。
又吉さんに本についてのイロハを聞きたかったし、親身に教えてくれるに違いないという予想もあり、あるとき飲みにお誘いしたんです。
房野「実はですね、今度僕本を出すかもしれなくて」
又吉さん「え? そうなん」
房野「はい。戦国時代のことを書いたものなんですが……(簡単な経緯を説明)……て感じで」
又吉さん「そうなんや」
房野「Facebookを見てもらったら、書いたものがあるんですけど……又吉さんFacebookは…?」
又吉さん「やってへんわ(って言った気がします」
房野「あ、でも携帯で検索していただけたら……」
又吉さん「どうやんの?」
房野「多分、Facebookスペース房野って入れてもらって…」
又吉さん「………………(たどり着かない)」
房野「あ、多分そこじゃなくて、そっちを押してもらえれば……」
又吉さん「………………(たどり着かない)」
房野「おかしいな。。なんすかこの画面」
又吉さん「……………(たどり着けない)」
房野「いやだから…」
又吉さん「紙でちょうだい」
房野「もうそうっすね!」
Facebook開けず。
「紙で読んだ方がいろいろわかるし」と言ってましたが、本心4割、自分の機械オンチをなかったものにするため6割、だと今でも思ってます。
それでも又吉さんに読んでもらいたい一心で、速攻袖山さんに連絡。
かなりの量をプリントアウトしてもらい、日を改め、再度又吉さんと会うことになります。
当日。
指定されたバーに先に到着した僕は、スツールに腰掛け、又吉さんの到着を待ちます。
うっすらまとった緊張は、プリントアウトした文章でパンパンのリュックを下ろしても、体にまとわりついたまま。
ふー…と落ち着きを取り戻しにかかる息を吐いたその瞬間、
又吉さん「ごめん遅くなった」
緊張の原因が登場。
房野「全然大丈夫です。すみませんお時間頂いて。あの、これ……紙にして持ってきました」
又吉「ん」
紙を受け取ると……
…………
…………………
え? 読み始めたの!?
「ありがとう。まず一杯注文しようか」とかないの!?
いきなり読み始めちゃったの!?
これ立ったまま一歩も動けないよ!?
もうこれこのまま待つしかないよね!?
紙を渡した瞬間、真剣に文字を追う又吉さん。
僕は、その姿を見守る以外の選択肢をなくします。
しばらく無言の2人。
空間を制するのは、店内に流れるBGMだけです。
おそらく又吉さんが読んでいるのは、"応仁の乱"のことを書いた『もうなんか昼ドラみたい』というプロローグの部分。
その目線が1ページ目の下の方に移り、くだりきった…かな? というあたりで、
おもむろに顔を上げ、こちらを向くと
又吉さん「おもろいわ」
なんかカッコいい!!!
で、ちょー嬉しいんですけど!!!
房野「マジすか!? ありがとうございます!!」
ホッとしたやら、嬉しいやらで、高揚しきった僕の顔はデレつきまくり。
しかし、又吉さんは、そんな"だらしな顔面"を置き去りにするようなスピードで、
又吉さん「これ、あれやわ……」
的確な言葉を次々に繰り出していきます。
この文章のどこがいいかーー。
本にするんだったら、こういうとこを気をつけた方がいいーー。
もしかすると、こんなアイデアはどうだろうーー。
具体的な話もいきなり始まる。
これがすごい。
2人きりで飲もうが、他の後輩何人かで飲もうが、個人に向けてのアドバイスがポンポンポンポン出てくる。
この日もまさにそれ。
「あーなるほど」「それいいですね!」
タメになることをどんどん放り込んでくれるんです。
バーなんで、もちろんお酒飲みながらなんですが、どのタイミングで注文したのか全く記憶にありません。
ちなみに、このときのアドバイスを一つ挙げるなら……。
又吉さん「本にするとき、最初の方に、今までの日本の歴史を〇千字(具体的な数字忘れた)くらいで、房野の文体で書いてみて。で、今回紹介するのは、この部分ですって。そしたらオレみたいに歴史詳しくないやつが入っていきやすいと思う」
『超現代語訳戦国時代』をご覧になった方は分かると思うんですが、「はじめに」で、日本の歴史を端折りまくってザーッと紹介してる部分があるんです。
そこ、けっこうご好評をいただいたんですが、これはもう完全に又吉さんのアドバイスのたまもの。
言われた通りやったら、すっごくうまくいったという。
後輩が言うのは偉そうですが、あえて言わせていただきますと、さすがです。
西野さんと又吉さん。
どちらも才能あふれるスーパーアドバイザーなんですが、種類がほんのちょっと違うというか。
なんでしょうね、今浮かんだんで、サッカーで言うと……。
西野さんは、監督のような感じかな。
今日の試合は、こういうフォーメーションでいこう。
相手はこんなヤツらだから、ここを攻めて、中盤を厚くした方がいい。
戦術、戦略を授けてくれるような。
又吉さんは、先輩のようなコーチのような。
前線にだすパスはこのぐらいの力加減がちょうどいい。
トラップをするときは、常に次の動作を頭に入れながら。
技術面を手取り足取り教えてくれるような。
全部があたってるわけじゃありませんが、僕が受ける感覚はこうです。
共通するのは、どちらもすごく大事なことを教えてくれるし、どちらも本当優しい。これですね。
その後、本が出来上がる間近になると、僕は又吉さんに2度目のお願いに上がりました。
こちらもまあまあ緊張しながら、意を決してのお願い。
房野「すみません。またお時間取ってもらって。あの……お願い事って言うのはですね………。本の帯書いてもらえませんか!?」
又吉さん「ええよ」
すぐ。
緊張返せとは言いませんが、即座のオッケー。いや、緊張返せと言いたい。
続けて又吉さん、
又吉さん「房野、自分で気付いてへんかもしれんけど、お前文章上手いで。本売れると思うわ。
あ、コイツね、戦国時代のことわかりやすく書いててね……」
泣きそうになりました。
こんな褒め方されたら、ヤバすぎるでしょ。
で、その流れでお店のマスターに僕のことを紹介し始める。。
髪の毛長ぇーから違うけど、出家してんのかと思うくらい優しさを携えてた。
本当、ありがたいです。
本当嬉しかった。
そんなこんなで無事完成し、この世に産声を上げたのが、
感謝したい人はいっぱいいるんですが、このブログで綴ってきた、トンボ、西野さん、袖山さん、又吉さん(ブログ登場順)の4人がいなければ、この本、影も形もなかったんです。
ですから、本当に本当に感謝してもしきれないくらい感謝してるわけです。
ここに書いといて良かった。
書きながら、またあらためて感謝を実感することができましたし、これで自分が振り返ることができます。
そして、次の新刊、
この場を借りて、まあ自分のブログなんで借りてはないんですが、本当に4人にはお礼を言いたいです。
ありがとうございました!!
これからもどうぞよろしくお願いします!!
P.S.
このあと、"初版部数"の決定を巡ってもう一波乱起こるんですが、それはFacebookの非公開グループ
にて書きました。(↑入って ^ ^)
そして、8.19のタイトル通り、今日の24時までに入っていただければ、おもしろい遊びやってるので、是非覗いてみてください!
幻冬舎plus(←読んで ^ ^)
で、『超現代語訳幕末物語』の無料公開もやってるので、是非読んでね!