信長のもとでどんどん出世をしていき、ついには長浜城(滋賀県)というお城を与えてもらい、一国一城の主となった秀吉。
そこから数年後、
信長は信長で安土城(滋賀県)という、とんでもなく豪華なお城を造り始めます。
そんな信長のもとを、秀吉の妻・ねねが訪ねてきたときのことです。
来訪の理由は、
「長浜の土地を与えてもらったことへの、あらためてのお礼」
であったり、
「そんなこんなでひさびさにご挨拶来ましたー」
的なものだったと思います(おそらく)。
そこで信長とトークするねねさん。
話題はだんだん、夫・秀吉の浮気癖について展開していきます(おそらく)。
ねね「あのチビザル、私に対して不満とか言いやがるんです! どのツラ下げてコメントしてんだって感じです! それでさらに浮気まで!! マジで『は?』です。バリうざです。テメーの顔面確認してから、ナメたまねしろ! って言いたい! それに…」
信長におもいっきりグチるねねさん(セリフは全編想像です)。
不満が溜まりに溜まっていたのか、信長の「最近どう?」的な誘い水があったのかはわかりませんが、夫の上司に夫の浮気症をブチまけます(おそらく)。
しかもただの上司じゃありません。
今で言う、夫が勤める会社の社長に対し。
さらに言うと、自ら第六天魔王を名乗り、自他ともに認める殺戮の王者(そんな風に思ってたかは知らないけど)、
織田信長にです。
従来の信長のイメージからいくと、
「しょーもない話を聞かせて、オレの耳を汚すな」
なんて言って、その場でねねをバッサリ斬っても不思議じゃありません。
斬るのは行き過ぎにしても、部下の夫婦の痴話げんかになんかは、1ミリも興味を示さないに決まってる。
では、実際の信長はどう対応したか。
ねねさんにお手紙書いてます。
彼女が訴えたことに対し、手紙で丁寧に返答してるんです(ねねさんが信長を訪ねた時期や理由、秀吉の浮気をグチった、というのがなんとなくわかってるのはこの手紙が残っているから。逆に言うと、この手紙からしか推察できないから全部"おそらく"です)。
この時点で残虐非道な信長のイメージ変わりませんか?
今よりも上下の関係がうん! っと厳しい時代に、部下の奥さんに、しかもプライベートな悩みに対し、お手紙を送ってるんです。
そして、その内容がこれまた想像とはズレると思うので、ひとまずご覧ください。
つづく。
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