会計事務所は、税金を取る側の税務署と、税金を納める義務のある顧客(クライアント)との衝突を和らげる「ショックアブゾーバー」として機能しています。顧客には大きく分けて、継続的に契約している顧問先と、一回だけの取引を行う単発の顧客とがいます。前者は会計事務所にとって本当の意味で財産となる存在です。こういうお客様を増やしていけるように運営していくことも大切です。

ですが、税金の相談だけではなく、顧客の様々な期待に応えようと会計事務所もさまざまなことを行っています。記帳代行などの基本的業務の他、お客様との信頼関係によってさまざまな依頼を受けています。クライアントの中には、顧問料を払っているのだからなんでもやってくれる、と考える経営者の方々もいます。その中には会計事務所の専門分野でない業務の依頼もあり、その依頼を他の専門家に取り次いでいく必要があります。一か所ですべての依頼を解決する(ワンストップサービス)には、そういった他の専門家との協力関係が不可欠です。ただしすべて専門家へ放任するのではなく、依頼に関しては最後まで解決まで気にかけ、責任を放棄しないことも大切です。そのようにして顧客との信頼関係をより深いものにしていくのです。

また依頼される業務の中には資産税に関するものがあり、これは高い報酬が見込めますが、失敗するリスクも大きいので、事務所に就職して2,3年の従業員は相談せずに行うことはとても危険です。ですから一定数の案件を経験させてもらうことが重要です。

 

会計事務所の繁忙期は、12月の年末調整の時期から3月の確定申告の時期というのが一般的です。またひと月の上旬はそれほど忙しくなく、中旬から下旬にかけて忙しくなる傾向にあります。そのため有給休暇は上旬の時期に取っておくのが無難でしょう。

 

従業員には特別の能力は必要ないですが、表計算ソフトは必須のスキルであり、これが欠けていると仕事になりません。また財務会計ソフトは今後3~4社ほどに絞られてくる傾向にあるので、それら複数のソフトは使いこなせるようにした方が良いと思われます。一つをマスターすれば、他のソフトも基本操作はほとんど同じで、マニュアルがなくてもできるようになります。

会計事務所で就職した方の中には税理士を目指され、最終的には独立しようという方も多いですが、信頼できる、尊敬できる所長に巡り合えたのなら、生涯そこで一緒に働くという可能性も検討してみてはいかがでしょうか。

この業界では、税理士や会計士の方は「先生」と呼ばれる慣習があり、経営者の方からも呼ばれることも多いです。しかし、本当は経営者こそ先生であり、彼らの話にはぜひ自分から耳を傾けた方が賢明です。