神戸の翌日は大阪のフェスティバル・ホールにて、ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団の演奏会聴きました。同じプログラムをサントリー・ホールで演奏しましたが、チケットは買い負けて買えず。おそらくは五嶋みどり人気にやられたものと推量します。歯ぎしりして悔しがっていたのですが、2、3日くらいしても大阪公演のチケットはまだ買えたので、ポチッと急遽参戦しました。購入したのは3階席だったのですが、実際に聴いたのは、1階のBOX席B8番。BOX席は前後左右にゆとりがあってとてもいいお席でした。関西の友人独身貴族のK氏に、「今度ウィーン聴きに行く」といいましたら、二枚持っているのでこっちをやる、と言われ有り難く頂戴し、小生のチケットは友人Y氏に譲渡となりました。それにしても初見参のこのホール、いいホールですね。
さて、この日の出演とプログラムは次のとおりでした。もちろん、小生のお目当てはマーラーです。
出演 指揮 アンドリス・ネルソンス
ヴァイオリン 五嶋みどり
プログラム プロコフィエフ ヴァイオリン協奏曲第1番ニ長調 Op.19
マーラー 交響曲第5番嬰ハ短調
前半の協奏曲は、はっきり言いまして聴き所がよくわかりませんでした。同じ作曲家の2番はいい曲だなぁ、と思うのですが、こちらはつかみ所がわからない。なんとなくチャイコのピアノ協奏曲第2番のような感じです。また、以前から思っていてここにも書いた記憶がありますが、五嶋みどりの生み出す音はかなり小さめで、みどりファンには大変申し訳ないのですが、面白くなささに拍車をかけていたように感じられました。アンコール曲はJ.S.バッハ「無伴奏ヴァイオリンのためのパルティータ第3番ホ短調:Ⅰ、プレリュード」でした。これはとてもいい音、いい演奏でした。
後半はお待ちかねのマラ5。ここ直近で来日外国オケによるマラ5の演奏を2回聴いています。いずれも素晴らしい演奏ではありましたが、ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団の演奏はさらに上を行っていたのではないでしょうか。たとえて言うならば奥行きや深み、あるいは裾野の深さ広さ、あるいは緻密さがさらにひとまわり、いやふたまわり大きな感じです。ややゆっくりとした速度で始まった演奏でしたが、おそらくは冒頭のトランペットや後に主役となるホルンにとっては、とても厳しい、難しい演奏だったのではないでしょうか。とはいえ、それをいとも簡単に、安定的に、そしてすばらしいトーンで演奏するあたり、さすがでした。また、冒頭のトランペットの後に続く弦楽器の演奏が、とてもすばらしく、感動的でした。
もう一つ再認識したのは、管楽器の音がかなり大きな事。それ故、オケが生む音がとても大きく感じられますが、それでいて全くバランスを失わないのがすごい。土台としての弦楽器の充実ぶりが支えているのでしょう。「すごいなぁ」の一言です。
アンコール曲として「オペレッタ 軽騎兵序曲」が演奏されました。始まった瞬間、会場からはどよめきが起こりました。意外だったのでしょうね。しかし、演奏は実に感動的。各パートの音が冴え渡っておりました。
★★★★★★+α
小生は友人K氏と別れて、Y氏とともに地下鉄に乗りました。小生は新大阪に。Y氏は次の日ギャンブラーと化す予定だそうで、大津に宿泊。京都でお馬さんが待っているのだそうです。Yさん、勝負は如何だったでしょう。忘年会の時、教えてくださいね。::Kさんまた東京でお会いしましょうね。