デザインとバランスとフィッティング。どれをとる? | 注文靴&靴作り教室 ~世界に一つだけの宝物作り~

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Bottega TraModa 代官山のオーダー靴と靴教室の職人二人のブログ

本日はOさんの振替日


もう方足のヒール積みです。


が。4枚積んだ所で終了。

もう少しですね。。。


さて。私はオーダーの木型の微調整。

と。

パターンを作り直ししてました。


パターンは。。。手持ちのものを使用しており、特に大きな問題ではないのですがどうも納得がいかず違和感を感じていたので作り直してみました。


いやぁ違和感があるときはやり直してみるものですな。


しっくりきたので木型の微調整を。。。


木型の修正。。。

結構好きな作業です。


今回はジョイントから踵に掛けてのサイズとつま先に掛けてのサイズがバラバラと言いますか、

つまりジョイントから下は27cmの木型。上は25cmの木型が合うな。と言う足。


結局、踵周りをいじらなくて済みそうな27cmを選択し、ジョイントをチョイと下げてやって周りは革をモリモリ。

ジョイントから上。甲部分もモリモリ。つま先は長すぎるので2cm程カット(ロングノーズなのでかなり余る)。


てなことをしていた訳ですが、この2cmカットがなかなか大変。

単純に切れば短くなるけど当然つま先の最終的な幅が太くなるわけで、元々の木型のデザインなど見る影もなくなる訳ですね。


ここからが楽しい所ですラブラブ!


いかに元ののデザインを崩さず靴(木型)のバランスを取るか。かつ。足に合わせる。

これ意外に難しいんですね。

デザインだけ戻してもバランスがかなり崩れているので(上27/下25ですから)、かなり見栄えの悪い状態です。

このバランスを取るのは結構難しい。


バランスが取れたと思っても、実際に吊り込んでみると微妙に違ったり。。。

その違和感の原因を探すのもこれまた難しかったりします。


ずんぐりむっくり足で全体的に大分ぼってりしている。

でもスマートに見せたい。けどつま先の距離は余り出せない。


どないせぇっちゅうねん!!

と思ったりします。



結局私が感じていた違和感は、最終的なつま先の幅を2mm細くしてあげることで解消されました。

2mmですよにひひ


変るもんですねぇ


我々の仕事は1mm以下の仕事


と。イタリア時代に友人と話していたことがあるのでまぁ2mm変えれば違いが出るのは当たり前なのですが、こうも変ると気持ちが良いにひひ


このデザイン、バランス、足がピタッとくるところを見つけ出すのはとても楽しいですし、木型をイロイロな角度から見てラインを確認し、モリモリしたりコリコリ削ったりしていくうちに綺麗な木型になっていく課程も楽しいものです。

基本的に中底作りとか、先芯加工とか、地味で黙々とゴリゴリ削ったりする作業は好きなのですよねシラー


。。。とは言え、足の形からどうしてもピタッとできない場合もありますが。。。

オーダーである以上、デザイン良し!バランス良し!履き心地良し!

としてあげたいのは当たり前なのですが、どうしても「この足にこのデザインは無理」というのはあります。

いかに近づけられるかですね。



2、3年木型屋さんででも働きたいなぁ。。。と本気で思ったりします。。。どこかないかな?