実話 | Botom line, botom job.

Botom line, botom job.

結局のところ、底辺職。

予報が外れて晩秋の曇り空。

午後雲間から陽が射してまるで宗教画。

「ばあっ」と晴れた陽射しが暑い。

の、

中、

作業してた。

ら、

4車線の向こう側。

旧跡の観光地の前に観光バスが停まってバスガイドさんが客を誘導してる。

 

 

強烈なフラッシュバック

 

 

あ。

俺。

ガイドさんに夜這い掛けられたことある。

 

 

学生の頃から撮影のアルバイトをしてて(とてもカメラマンなんて言えるレベルじゃない)

確か二十歳過ぎたくらい。

小学校の行事にくっついて行った日光、そうだ奥日光。

ひと部屋をあてがわれて寝てた。

深夜、

 

「かちゃり。」

 

ドアが静かに開いて廊下の灯りに浴衣の女の人。

 

(?!)

 

枕から頭を上げて凝視する俺。

(え。)

ひた。ひた。と畳の上を近付いて来て、

 

 

 

いやこれ怪談話じゃないからね。

 

 

 

跪いて掛け布団をめくる。

 

「え。」

「え。」

「なに?」

「え。どうしたの?」

パニックな俺(そりゃなるだろ当時まだ純真だったもん。違うな「まだわずかに純真な心と良識が残ってた」だ)

都内から乗せてもらったバスのガイドさんだってことはわかる。

ちょっと会話はしたけどさ。

いやでもだからなんなんだ?

 

 

「入れて」

 

(いっれねーよばかやろーおめーはこのやどのじばくれーかよ⁈ いれたとたんおれをだーくさいどにひきずりこむつもりだな!「いれたらいれさせられる」って?)

 

今だったら「くるしゅうない。ちこうよれ」とか言ったかも知れないそれはない。

だって、

 

 

夜這いしていいのは浴衣のうなじの綺麗な、さりげなく出てる膝の上辺りの太もも導入部にわくわくどきどきしちゃう俯いた横顔の儚い

 

きれーなおんなのひとだけだ!!!

 

1号車のベテラン歳上ガイドさんが部屋に飛び込んで来てくれて「あんたちょっとなにやってんの⁉︎」引き摺り出してくれて俺の貞操は守られたのであった。

文字通り引き摺り出してたなー

 

 

これもひとつの走馬灯なのかな。

ますますそろそろ俺死ぬのかもなー