夢の中の君へ | 逢えるじゃないか また明日 PartⅡ
君はいつも夢に出てくる
中央線の何処かの駅のすすきの生えた大きな広場
その近くの木造の家の二階に君がいる様な気がする
だけどいつも会えない
君の存在がそこにあるのに
高層階の非常階段を上ったところに君の家がある
らせん状の階段をのぼってその階にたどり着く
しかしいつも扉が見つからない
君の存在がそこにあるのに
酒場が何軒か続く通り
いつも行く店を通り越して君を探す
また戻るが道がY字路
どちらに行けば良いかわからず行ったり来たり
いつの間にか酒場が何軒か消えている
何を探して歩いているのか
君の存在は50年も経った今での忘れない
だけど顔を思い出せない
名前は覚えているが漢字では書けない
沢山の出来事の一つ一つが消えていく
今思い出せるのは幾つかの事
その時は大事だとは思わなかった
だけど今思い出せるのはその頃の小さなこと
とてもとても小さなこと
それが一番大事だったのかもしれない
君の存在は今は夢の中だけ
会いたいと思っても気ままに会うことはできない
いつまた君の存在を確かめられるだろう
そのうち全部消えてなくなるんだな