Meditation

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この春、念願のボサノヴァギターを始めました。
音楽の楽しさを伝えていけたらと思います。音楽に限らず、ファッションやグルメ、旅や生き方といった壮大なテーマも書けたらと思います。気楽にお付き合いください。

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ジルベルトのブログ-『Feminina』

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 このアルバムを初めて聴いたのは 1995年。もう15年以上も前になる。きっかけはこのアルバムに収録されている「オグンの村」という曲を他のコンピレーションアルバムで聴き、えらく衝撃を受けたからだ。

 「噴水から水が美しい形で空に向かって飛ぶ。その様はとても眩しい」言葉にするとそんな感じだ。聴いていもらえれば分かると思う。まるで自分が音のシャワーを浴びているような感覚だった。

 イギリスのパンクやニューウェーブ愛聴家だった学生の頃を経て、当時社会人になって間もない私は、給料の大部分をCDに注ぎ込んだ。六本木や渋谷のCDショップを中心に、新宿、下北沢、当時住んでいた町田近辺のCD屋で1週間に最低5枚。月に20枚は購入し、ジャズ・ボサノヴァ・ファンク・ソウル・テクノ・ヒップホップ・ドラムンベース・アンビエントミュージックetc…。手当たり次第の音楽を片っ端から聴き漁った。そんな中で、今振り返ってもこの曲、このアルバムが私に与えたとてつもない衝撃は他にない。

 このアルバムをボサノヴァと呼ぶには無理がある。ジャンルの枠では計れないのだ。作品は1980年なので、ブラジルでボサノヴァがさまざまな形で他の音楽を取り込みながら進化した形だったのだと思う。それでも楽器構成はとてもシンプルなので聴き易くボサノヴァに通じるものがある。

 特筆すべきはジョイスの表現力抜群な歌声と、彼女の紡ぎだす起伏に富む美しいメロディ。7曲目「子供のようなあなた」の愛にあふれるメロディは母なる大地を感じずにはいられない(内容は「あなたの子供のような心には正直ときどき疲れてしまう」といった感じ)。どの曲も素晴らしく、私は世の中にこんな美しいメロディがあったのかと驚くしかなかった。そして私はここからボサノヴァ・ブラジリアンミュージックにハマっていくことになる。

 翌年、私はブルーノート東京でライブを体験できた。このアルバムからもたくさんの曲を演奏してくれて、大満足だった記憶がある。ライブのジョイスはアルバム以上に素晴らしい。ぜひ、その歌声を堪能してもらいたいアーティストだ。