「おい。ペットボトルと毛布をもって学校へ行け。」
次男と妻にそう言って避難してもらうことにしました。もちろん、自分は学校へ行かなければならないからです。一緒には行けません。
仕度のため逃げ出した我が家にもう一度入りました。まだ揺れが来るかもしれない。ドキドキしながら。苦労して開けた玄関はそのままです。というか、閉めようとしてもびくともしません。渾身の力を込めてやっと動かしたのですから当然でしょう。
その僅かな隙間から居間へと戻りました。
本棚が倒れ、本や何やら散乱しています。足の踏み場もありません。ありがたかったのはテレビが倒れていなかったことです。壊れるのもですが、画面が割れて破片が飛び散ることが嫌だったのです。
余談ですが、熊本市長はガラスで足を切る大けがをしながらも市庁舎に駆けつけています。県知事も同様です。たぶん公邸にいらっしゃったので、飛び起きて服を着て徒歩で県庁に駆けつけられたと思います。
居間に入り、まずは車のカギ、学校のカギなどを探し当てました。これは机の上にありましたので、比較的すぐに見つかりました。
持ち物はよし。そして次は背広です。タンスから引っ張り出しました。
こんな時に背広と思われるかもしれませんが、我々校長のユニフォームですから。これを着ることで相手はすぐに校長と分かってくれますし、必需品です。
着替えも終わり、車庫へ向かいました。また自転車が倒れていました。しかし、今回は車に傷は入りませんでした。というのも、前回に懲りて車と自転車のスペースを沢山とっていたからです。小さいことですが、うまくいったとちょっぴり嬉しくなりました。
さて、いよいよ学校へ。予想ですが、かなりの人たちが学校へ来ると思っていました。一度目で20人程度でしたが、二度目ですから多くの人が必ず学校へ避難すると考えました。それに、本震の方が揺れ方が酷かったからです。
時刻は午前1時45分ぐらいだったと思います。地震発生から20分程度過ぎていました。次男と妻は、まだ準備をしていましたが学校へ行くことを優先しました。空きっぱなしの玄関を少しだけ気にしながら。
つづく