避難所生活も1週間たてば落ち着きを見せ始めます。体育館フロア全体に人々が集まって過ごしている様子は異様にも見えますが、それぞれ昼間は何かをしているか、どこかへ行って用事を済ませてます。
皆さんが必ず避難所に集まるのは食事の時です。朝、昼、夜と支援のお弁当をもらうのが日課で、生活のリズムとなっていました。
そんな中、全国から避難所に食事支援が届くようになりました。実際に避難所で炊飯をし、配ってくださる団体も多くありました。
まずは地元の飲食店のみなさんです。有名ラーメン店もいらっしゃいました。寸胴やら容器やらすべて自前で揃えて作ってくださいました。総勢6人でしたが、まるで疲れを知らない人のように数百人分を次々と提供してくださいます。
「さあ、美味しいラーメンですよ。いらっしゃい。どんどん作りますよ。」
大きな声を出して、お店の雰囲気をそのまま。作ってくださるのは体育館横の水道近くなのですが、その威勢のよさは地震の恐怖を忘れさせてくださいます。提供する場所には長蛇の列です。私も人気がなくなってから頂戴しました。
美味しかったです。いつもの美味しいラーメンでした。
考えると費用はすべて店持ちです。しかも、この避難所だけでなく他でも提供されていましたので、どれだけ手出しなのか考えると恐ろしくなりますし、申し訳ないとも思いました。しかし、それがここの社長の心意気です。心から感謝しました。
次に驚いたのは、他県からいらっしゃった方々です。一番印象に残っているのは隣県からの建設業の方々でした。大きなトラックに材料と炊飯器具を積み、総勢15人ぐらいでいらっしゃいました。
「校長先生、皆さんにカレーを提供したいのですがよかですか。」
社長と思われる男性がそう言ってこられました。もちろん感謝の言葉を伝えてお願いしました。
それからが早かった。
あっという間に15人の元気がいい男性たちが材料などを降ろし、早速カレーを作り始めました。
大きな鍋をいくつも準備し、手際よく材料をカットしていきます。ごはんも炊かれてました。
社長が大きな声でテキパキと指示しています。
出来上がったのは数百人分のカレー。いいにおいが漂い、子どもたちの目が輝いています。
食事の配布が終わると、直ちに片づけです。
これも見事に手早く終わられました。
「わざわざ遠いところからありがとうございました。」
御礼を伝えると
「なんの。皆さんが大変だけん。少しでも元気になられるとよかです。」
そういって避難所を後にされました。
他にもたくさんの方々が食事を提供してくださいました。
すべてが美味しく、弁当もありがたかったのですがその場で調理された温かい食事は格別でした。
熊本地震の後、全国で避難所が設けられるようなときは必ず熊本から食事のボランティアが行くようになりました。
それは、熊本地震のときのご恩返しなのです。
本当に温かい食事は不安だった心を和らげてくださいました。それは満腹にしてくださるのはもちろんのこと、私たちを見捨てることがない、応戦して下さているという精神面での支援が心に染み着いたからです。
この場を借りて避難所に食事を提供してくださった方々に御礼申し上げます。
つづく