No New York / Various Artists
- Various Artists
- No New York
有名かどうかはわからないけど,歴史的名盤である。ロックの一つの到達点と言っていい。
1978年に発表されたニューヨークの4アーティストを収めたこのオムニバスは,本当にロックの歴史の一瞬のみを切り取っているに過ぎない。しかし,極点というものは常に一瞬でしかない。
4つのバンドを順に紹介する。
最初の4曲はContortions。先頃来日もしたジェームス・チャンス率いるバンドだ。実は4バンド中唯一音楽的骨格といえるものを持つ。ファンクだ。しかし,下手なのかなんなのかとにかくギクシャクしてる。しかし,強烈にパワフルだ。脱臼したまま暴れまわっているファンク。Jチャンスの叫び声と叫び声に等しいサックスが素晴らしい。
次の4曲はTeenage Jesus & The Jerks。エロジャケがいつも素晴らしいリディア・ランチ率いるこのバンドは,とにかくリディアの個性が強烈だ。いや,個性というと誤解されるかもしれない。ジャニスでもパティでもない彼女は,ここでは全く感情というものが感じられず,女性性というかセックスのみの存在だ。意味がわからないだろうがそうなのだ。
B面の最初の4曲はMars。こいつらも凄い。とにかく生気が無い。死んでいる。はっきり言って怖い。1曲目は結構リズムもある曲だが,死んでいる。死霊の盆踊りとでも邦題を付けたくなる。とにかく笑う以外の反応ができない。
最後の4曲はDNA。今ではブラジル音楽の人となったアート・リンゼイだが,出自はここ。全くチューニングされていないのではなかろうかと思うほどのギターだが,何故か音楽に聞こえるから不思議。人間の生理に直接響く音楽としかいいようがない。
基本的にこの作品は,音楽表現から感情を徹底して排除したところが凄い。ただし,Contortionsだけはちょっと浮いてる,というかパンクを引きずっているので収まりが悪い。でも,カッコいいんですよね。
- James Chance & The Contortions
- Buy
↑Contortionsの1st。イカす。
- Teenage Jesus & the Jerks
- Everything
↑Teenage Jesus~の編集盤。短いけど,音源としてはこれが唯一のもの(だと思う)。
- Mars
- 78+
↑Marsの編集盤。ジャケまで怖い。
- DNA
- DNA on DNA
↑DNAの全曲集。1stシングルが超カッコいい。メンバーチェンジ後のミニアルバム『Taste Of DNA』も全曲収録。
まともにアルバムを出したのもContortionsだけというのが・・・
図鑑に載ってない虫
- Victor Entertainment,Inc.(V)(D)
- 図鑑に載ってない虫 完全攻略版(2枚組)
三木聡のファンと言いつつ,劇場に足を運ばずにDVDでの鑑賞となりました。(そもそも劇場に行ったのは「亀早」のみなのですが・・・)
ルポライターの俺(伊勢谷友介)が,臨死体験ができるといわれる「死にモドキ」を探すために,ヒッピー風オルゴール職人(松尾スズキ),リストカッター(菊地凛子),さえないヤクザ(岩松了),その子分(ふせえり)と旅に出る。手がかりを辿るごとに摩訶不思議な人物と出会い,徐々に死にモドキに近づいていく・・・というお話。
お話は以上ですが,この映画のミソは,主人公グループと摩訶不思議な人物との出会い。水野美紀,片桐はいり,松重豊,笹野高史,村松利史,三谷昇,園子温,渡辺裕之,高橋恵子(!)etc,と豪華なのかなんなのかさっぱりわかんない出演者達。中でも村松さん演じる見世物小屋の「半分男(腰から下が無い!)」のくだりは絶品でした。
この映画の魅力を語るには,三木監督作品の魅力を語らなければならない。しかし,基本的にどれも一緒で,もう語ることがない。強いて書くなら,逆説的に三木作品はゆるいわけでは無いと書きたい。
ギャグやお笑いに「こうすれば面白い」といった理論があるわけではない。私がこれほど面白がっても,馴染めない人には馴染めないだろう。それでも三木作品が素晴らしいと言えるのは,手探りでギリギリの笑いを模索しているところだと思う。これ以上やればおいてけぼり。これ以下だと普通のギャグ。その境界線を掴むためにずっとやってきた人だと思う。その実験の舞台での集大成が90年代のシティボーイズであり,映像での実験が現在進行中というわけだ。そういった部分を感じ取れれば,ゆるいどころか非常にシャープでスマートな笑いということがわかるはず。
転々 も面白そうだ。
Power in the Darkness / Tom Robinson Band
- Tom Robinson Band
- Power in the Darkness
ただ漠然と,自分が社会的弱者であると思っていたのはいつの頃までだろうか。多分高校生か?今にして思えば,高校にも通えて,普通に大学受験をして大きな問題は何も無かったような気がする。ちなみに今では,しがないサラリーマンとはいえ,日本人の平均的な給与レベルの賃金は貰っているし,サービス残業でこき使われているという実感もさほどない。もちろん不満はあるが,それこそリーマンの居酒屋の会話としてスッポリ埋もれてしまうようなたわいのないものだ。だから私は社会的弱者ではないのだろう。
では,社会的弱者ってのはそもそもなんだ?といわれると実はよくわかんない。障害者?お年寄り?ニート?ゲイ?私の知り合いのゲイの人は,普通の社会人として収入を持ち,恋人と楽しく暮らしている。弱者か?そうではないだろう。むしろ強い。尊敬すらできる。
トム・ロビンソンはゲイであることを最初から告白した上で活動を始めたミュージシャンだ。黒人音楽もそうだが,よく社会的弱者の音楽であるという文脈で語られる。しかし,そうではないだろう。弱者だろうと強者だろうと,芸術というものは,良いものは良い。ただそれだけだ。犯罪者だとしてもノーベル平和賞受賞者だとしてもそんなものは無関係である。
トム・ロビンソンもパンクロックの波から登場した人物だ。自分の信条や強く生きることの大切さを歌っている人である。とびきりシンプルで力強くだ。例えるなら,ブルース・スプリングスティーンから余計な装飾を取り去って,魅力だけを残したような音楽をやっている。ただ,それだけ。ゲイであることを歌っている曲もあるが,テーマの具体性はあまり重要ではないだろう。いや,重要な人には重要かも知れないが,そこにこだわりすぎても楽しめないのが芸術ではないか。
このアルバムは,彼の1stアルバムで,グッとくる歌と演奏と楽曲が満載の傑作だ。別に音楽的な冒険は無いけど,これはこれでいい。誠実な人が真摯に音楽に向き合った結果が音盤として記録されている。それに胸を打たれる。ビートルズとは違って,100年後には忘れられているかもしれない。それでも私にとってはこれは20世紀の大傑作だ。
マイブラ,ツアー&ニューアルバム!・・・らしいぜ
マイ・ブラッディ・ヴァレンタイン、16年ぶりのツアー開催を正式発表!
縮めて言うとエロい感じがするマイ・ブラッディ・バレンタインが,活動再開!
来日は,少なくともしばらくは無いと思いますが,とりあえず新作出るらしいので期待。
> 以前にケヴィン・シールズが“(リリースは)100%確実だ”と語ったとされる『ラヴレス』に続くニュー・アルバムですが、オンライン放送局【VBS.TV】内の番組「Soft Focus」が先日行なったケヴィン・シールズへのインタビューによれば、“4分の3は完成した”とのこと。まだ詳細は不明なものの、“早ければ今年中に発表するだろう”とも語っています
そもそも20世紀中に新作を死んでも出す,とかなんとか言ってた記憶があるのですが・・・。ということで,話半分で聞いておきましょ。
- My Bloody Valentine
- Loveless
これが91年だもんなあ。来年新作が出るとしても17年ぶり!20代でこれを出してたとしたら,30代の仕事(他アーティストへのゲスト参加以外)は無しってどういう人生なんだよ!
昼追記
ケヴィン・シールズ,1963年生まれでした。Lovelessの時点で28歳,2008年で・・・45歳。本当に働き盛りの30代を棒に振ってました・・・。
福岡出張行ってきました
美味しいものをたらふく食べてご満悦・・・ですが,仕事はきつかったな。
ところで,福岡県民なら知らない人はいないと思われるローカル情報番組の「ドォーモ 」を久しぶりに観てきました。山本華世 というローカルタレントが未だに活躍していてビックリ。ただ,歳くって疲れ気味なのが気になりましたけど。この人,wikipediaにも書いてありますが,自分の妊娠~出産までをドキュメンタリーにして,なんと出産シーンまでテレビで放送した凄い人です。個人的には,同じく村仲皆美 というローカルタレントの方が好きでしたが。かわいかったし。彼女も現役で活躍中らしい。
- 楳図 かずお
- 漂流教室 1 (1) (ビッグコミックススペシャル)
↑買いました。関谷凄いぜ。給食費払わない親御さんに読んで欲しいね。
明日から出張です
新垣結衣がイタ面白い件について
世の中ケータイ小説 なるものがあるらしい。
特徴としては,基本的にラヴストーリーで,突然妊娠したり,恋人が病気で死んだりする他,ケータイで執筆・閲覧されることが挙げられるようだ。人気があるものは書籍化されるようだが,中でも一番のヒット作というのが「恋空」とかいうもので,何百万クリック読まれた上に,書籍は何十万部発行とかされているそうだ。
んで,遂に映画化らしいのだが,主演はポッキーのCMのダンスが可愛い過ぎる新垣結衣。
原作が読みたい方はこちら
小説の内容については今更コメントするまでもないとは思いますが、映画、映画では、ガッキーの青姦シーンは、たっぷり描写されるんでしょうね?
それと、ガッキーついにCDデビューです。
- 新垣結衣
- そら (通常盤)[DVD付]
- 新垣結衣
- そら (初回限定盤)
いきなり二つ並べましたが、上のが通常版でDVDもついてきます。問題は、下の初回限定版です。なんじゃこのジャケットは?えっ?ガッキーのイラスト?はぁ?しかもDVD無し?意味がわからん。これって何?
今後ガッキーはどうなるのでしょうか。
犬神家の一族
- 横溝 正史
- 犬神家の一族 (角川文庫―金田一耕助ファイル)
↑原作ですが,実は初めて読みました。
いやあ,細部に至るまでよくできていますなあ。事件の発端となった有名な遺言状ですが,珠代の優位性の理由というのは映画でもわかるのですが,珠代が相続出来ない場合の静馬の優位性の理由にも裏があって,これは映画だけではなかなか読み取れないと思います。傑作。
- 横溝 正史, つのだ じろう
- 犬神家の一族
そういや,こういうものも2006年版公開にまぎれて復刻されていたんですね。知らなかった・・・。ま,うちにはもともと単行本があるので気にしてなかったんですが。
ただし,この下世話な表紙!これ!レディースコミックですか!
話はとんで,このブログではこの娘を応援したいと思います。
笹本玲奈ちゃんといいます。
何故,この娘を応援するかといいますと・・・
↓ヒント
野々宮珠代(犬神珠代)の娘。つまり珠代と佐清の娘,犬神家の血筋ですw
更に・・・
笹本玲奈 wikipedia
色々記事のクリップ
ダビング10の向こうに光は見えるのか ←昼追記
上の対談を読んでくださいよ。もうなんつーか最初から議論し直せよバカというか・・・
一方でこんな技術が!
圧倒的な量で質の問題を解消する,というのは一種のパラダイムの転換であって,我々はそれをiPodで知ったわけです。ほぼ無制限に大量に保存できるメディアができれば,なんとなくいろんな可能性が見えてきますね。
で,この先生,どういう人かといいますと,
小さな光の粒が救世主 ~「ナノフォトニクス」で拓く光新時代~
なんか凄いですね。絶対にこういう人にはなれないな,と思える人のことはひたすら尊敬しちゃいます。
- 大津 元一, 小林 潔
- ナノオプティクス ナノフォトニクスの基礎 (ナノオプティクス)
面白そうだけど,さっぱりわかりません。