天才たちの革新性(其の弐) | 爆風銃 - BOP GUN -

爆風銃 - BOP GUN -

伝説のNo.1 Funk Band「爆風銃(Bop Gun)」
惜しまれつつも、1983年に活動を休止した。
再活動を望むファンのための応援ブログである。

あの、ローリング・ストーンズのドラマー「チャーリー・ワッツ」は過去にこのようなコメントを残している。
「打楽器というのは、非常にプリミティブな楽器なので、演奏する人の人間性がそのまま出る楽器だ!」

そういう意味では、スティーブほど人間性をむき出しにしたパーカショニストはいない。
爆風銃の中で、ある意味スティーブが一番音楽環境に恵まれていたのではないだろうか?

父親が日本の古典音楽である「雅楽」の箏曲家で、なおかつアメリカで生まれている。6歳までアメリカで育ったことを考えると、かなりアメリカの音楽文化に影響を受けているはずだ。


パーカッションというと、楽曲にアクセントを加え、彩を添えるといった趣のパートという印象があるのではないか?
しかし、スティーブのそれは、遥かに常人を超えたところに演奏の形態がある。
「パーカッション=ラテン音楽」といったイメージとは程遠い、ロックであり、ファンクなのだ!

そもそも打楽器は、クラシックであれ、ジャズであれ、リズムをキープする楽器ではない。
ドラムもそうなのだ。
ジャズでは、ドラムではなくベースがリズムをキープするので、ロックでやっているドラムなどの打楽器は、本来の役割とは違うといっていい。

なぜそうなったかについては省略するが、スティーブは逆に楽曲のリズムキープするパーカッションという印象を受ける。
まるで機械のように正確に、細かいパッセージを延々とループする。
コンピューター全盛の今でならいざ知らず、80年代初頭というコンピューターが珍しがられた時代に、まさにコンピュータの如きプレイを奏でていたのだ。

そういえば、スティーブが昔、こんなことを言っていた。
「バラードは嫌いだ!バラードでパーカッションを演奏するのが嫌なんだ!」
爆風銃にバラードが少ないのは、スティーブのせいなのか?(笑)
そう思わざるを得ないところがある。

また、こんなことも言っていた。
「ディープ・パープルでパーカッションを叩くのが理想だ!」
ハードロックにパーカッション?
ミスマッチなはずだが、もしかすると面白いかも?と思わせるほど、スティーブにはラテン色はない。(笑)
むしろ、爆音打楽器奏者なのだ!

冗談のように聞こえるスティーブの発言も、決して冗談で言っているとは思えないのだ。
"あらゆる音楽をパーカッション的に考える"
だからこそ、彼は天才なのである。


「歴史に、もし」はないと言われるが、もし、爆風銃が解散してもなお、スティーブとファンキー末吉がリズム隊を継続していたら、もっと日本の音楽シーンに影響を与えたのではないだろうか?
というのも、スティーブ加入以前と以後では、ファンキー末吉のドラムスタイルが変化しているからだ。
スティーブが参加することで、ファンキー末吉のドラムは「シンプルに、そしてソリッドな演奏」になったからだ!

「いかファン」は、スティーブが参加する前に出来上がっていた曲だ。
だから、「ワン・モア・ヒッツ、ファンキー~!」とコールすると、ティンパレスを叩く。
それは、スティーブがいなかった頃の名残なのだ。

それ以後の曲では、ファンキー末吉がティンパレスでアクセントを加えることはなくなった。
そう、ファンキー末吉はスティーブとセットになることによって、バックビートに命をこめるファンク・ドラマーとして確立した。


さぁ、再び重金属打楽器奏者が注目される日も近い!(笑)