14歳の時に読みたかった。

14歳の私は、これを読み終わった時、何を思ったのだろうか。

その思いを抱えて成長した私は、母親になってこの本を読み返した時、

何を思うんだろうか。

 

それはもう叶わない。

私は14歳には戻れない。

14歳の思いをもって母親になることはできない。

 

だから

 

この小説を、今、14歳として生きている少年少女に読んでほしい。

 

かたくて、難しくて、苦しい、重い作品かもしれない。

でも、読んで考える価値のある作品だと思う。

 

もしかしたら、善悪がひっくり返るかもしれない。

もしかしたら、今の自分と重なるかもしれない。

もしかしたら、未来の自分が抱える問題かもしれない。

もしかしたら、大人とのかかわり方が見えるかもしれない。

もしかしたら、友達とのかかわり方が見えるかもしれない。

 

本が好きな14歳に届いてほしい。

本が好きでない14歳にも届いてほしい。

 

手に取って、読み終わって、

何かに思い至った時、その思いを私に共有してくれたら、

私はもっと考えられる。

私はもっと広い世界を見ることができる。

 

私が見ることのできなかった世界を観ることのできる14歳が、

心の底からうらやましい。

たた汰です。

 

原田マハ先生の『キネマの神様』を読んで

どうしても映画を観たくなりました。

 

帰宅後、夕飯を食べていざテレビの前へ。

毎月定額で配信されているものならいつでも、なんでも、何本でも

観ることのできる有料チャンネルに合わせて。

さて何を観ようか。

 

最近、巷では

インクレディブル・ファミリーやオーシャンズ8、ペンギンハイウェイなんかが話題ですね。

話題に乗っかってみようか・・・。

 

選ぶ時間はかけたくない。

明日も仕事。早く寝るためにも。

ランキングをのぞいてみると、本家オーシャンズを発見。

観たことないし、観てみよう。

 

年代はいつが舞台なんだろうか。

こんなに渋くて、イケてるおじさんなんて、本当にいたのか。

ウイスキーをストレートであおりながら、元女房に未練たらしく「さよならを言いに来た」なんて。

そんなつもりないくせに、と顔にかけるジュリア・ロバーツの魅力が、

完璧な計画を求めるブラッド・ピットが、

涼しい顔して泥棒しているジョージ・クルーニーが

すべてが色っぽく映っていた。

 

渋みを効かせた画質もよかった。

それに合わせる各シーンのBGMも。

役者の衣装も、葉巻も、財布もすべてが俳優に馴染んでいた。

 

 

やっぱり映画はいい。

スクリーンやモニターを目の前に置けば、

ヒーローにも、ヒロインにも、ヒールにもなれる。

海賊、泥棒、スパイにだって、

イギリス人、中国人、ブラジル人にだってなれる。

老年の母親にも、いたいけな少年にも、背伸びした学生にもなれる。

 

現実ではかなわない人生を、歩ませてくれるのが映画だ。

対岸の景色を、見せてくれるのが映画だ。

 

さあ、明日は何を観ようか。