四十九日はまだ寒かった。

夫の実家で、姑と義兄家族と私達夫婦のみで法要をすることになった。この日は姑から準喪服ではなく正式な喪服でとお声がかかっていた。


普段スカートを履き慣れない私は、納骨堂から帰るときの風が冷たくて身震いした。
そのタイミングで、私だけ薄いストッキングを履いてることに気付いた姑。
姑と義兄嫁のストッキングは分厚かった。

すぐさま義兄嫁の隣に駆け寄って女子中学生のように「Rちゃん(義兄嫁)もストッキングはあったかいのにしたのねー。あたしも分厚いのにしたのー。寒いもんねー。」
義兄嫁と身を寄せ合って、シワシワのおばあちゃんが甲高い声ではしゃぐ。いつもはそんな距離感の2人じゃない。お姑が意図的に同じ敵を作ろうとしてるみたいだった。
完全に私に対して嫌味を発動してた。


それを見てるだけで、いつまでも十代気取りでやってられないとドン引く私。旗から見たら妙にはしゃいでる性格の悪い年だけ取ったおばあちゃん。
30歳も年の離れた相手に、ストッキングごときで厭らしい態度をとっているんだから。姑の世の中っていかに平和ボケしてるんだろ。
他と違う誰かの姿を見て、おかしな格好に仕立て上げる女子力強めな閉鎖的な姑。あの75歳はまだまだ女子で、精神年齢は低いことを教えてくれる。


夫の実家で、家族だけの法要。
そんな中、真面目に正式な喪服で参加した、片方の嫁の姿が気に食わない。というか、私が、次男の嫁が、少し透けたストッキングを履いてることが気に食わなかったんだろう。私が透けたストッキングで女を出しているように見えたのかしら。馬鹿馬鹿しい。あの中で、夫にだってそんな気持ちは出てこないというのに。義兄に対しては男とも思ってない。それこそ身震いする。

幼稚な姑の態度を見ていると、私の服装は一体誰に気を遣ってるんだろう?と思わせてくれる。そして馬鹿馬鹿しくさせてくれる。
そういう人が今の私の姑。


姑自身は自分自身をサバサバしてて、元気で明るいお義母さんよ、みたいな素振りを周りに見せているけど。そんなことはない。
だったら今回のも私に直接言ってくればいい。「寒くないのー?ストッキングくらいあったかいのにすればよかったのにー。」って細い目をしながら伝えてくればいい。これくらいで終わらせておけ。

いつまでも女子が抜けないおばあちゃん。
この人はどこまでも単細胞で元気そう。