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ニール・シャスタマン 『奪命者』

レベッカ・ウーリス 『大切な人が、心の病気にかかったら:みんなが笑顔を取り戻すための対処法』

九井諒子 『ダンジョン飯 4』

あまおう 『BLエロ漫画家と少女漫画家とホラー漫画家のただれた日常 1-2』

 

 

  

 

不死の時代、人間は自分が望む年齢帯の物理的身体に戻り、傷を回生しながら生を続ける。この人類の進化による生態系の均衡を合わせるために生まれたのが「奪命者(サイズ)」、ある種の聖職者のような彼らはサイズ各々の信念と基準にそって任意の人々を選別し「奪命」を行い、人口バランスを調整する。(奪命人口基準の叙述に多少疑問を持っているが無視して進めた)属している社会の中でその存在感のない「キャベツ」2人のローワンとシトラはある日突然、他者の死と向き合うことをきっかけに一つの収穫者の2人見習生という異例の席に置かれる。当然きゃっきゃうほほお二人共に幸せな奪命者になりますように、というストーリーではなく。サイズの中でもその方式を異にする人たちによって苦難と逆境を経験し、2人は成長する。死に対する扱いの面だけ多少勘案すれば中高生からも楽しめるかも?だからハリーポッターと比較されていたのかと気付く。
いくら死を「支配(できているのだろうか)」するという奪命者だとしても、派閥や思想による戦いから抜け出せないという点が結局人間が起因する一つの「業」なんだなというのが。似たような意味で性悪説を信じる自分としては、いくら徹底に管理・統制される平和の時代だと言ってもゴナードのようなどこかモラルの歪んでいる存在は登場するだろうと。ある意味平和の時代だから尚更。 人間は放っておけば善良な方向には絶対転がらない! という魂の叫び(個人の意見です)。
そして興味深かったのは収穫者の称号だったのだが、自分で選ぶだけあってその称号というのが自らをどんな人であるかを表す部分だったんじゃないかと思って。「たぶんセルバンテスは、あなたを存在すらしない敵と戦わせるだろう。」… ドンキホーテ思い出しずっと笑っている。

大切な人が、心の病気にかかったら。もう少し早く読むことが出来ればよかったんじゃないかと。保護者や周りの人物がとるべき態度や対処方法について、期待よりもしっかりとガイドラインを提示する。多くの保護者がそこで迷っていることを考えれば、作家が留意して書いた点の一つではないかと。医学も発展していく訳で、最新版やアップデートが続いてほしい一冊。

ついにファリン救出1トライに成功したダンジョン飯パーティー。前にも言ったようにアニメより先に進みたくないため、しばらくはここで一旦止まります.. 1巻から最後の魔物設定ページがマジで好き。こういう細かい設定の話とかを垣間見れるのが楽しい。

そして漫画家3人のただれた日常・・・口コミにひかれ軽く。週末気軽に楽しめる一冊(2巻まで読んだのだが)。しかしあの猫のしっぽなんなん・・・あれ妖怪・・・?なんか見逃してる?w