競馬ブック こちら栗東データ班

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 中京コースが新しくなってしばらくした頃。裏開催の中京には一緒に出張している研究ニュースの永山TMがボソッと言ったことがあります。

「なんかダートであそこにつけた馬って、手応え良く来ても伸びひんよな?」

 「あそこ」とは、2、3番手の外のこと。いいポジションに思える好位の外から、あまり伸びてくる印象がない、と言うのです。言われてからレースを見ていると、なるほどそのパターンが多い気がする。最内につけて逃げた馬はもうひと脚使うのに、その外にいた馬たちがなぜか伸びあぐねる。これはなんだろうね、と。最初にそんなことを言い出したのが永山TMだったので、以来、ローカル中京出張組はそのポジションのことを『永山ポジション』と呼ぶようになりました。

 さて、「なんかそんな気がする」で何年もきたわけですが、好位に限らず4角で外を回っていた馬の上位入線が少ないように感じる部分もあったので、今回思い立って調べてみようとなりました。どう調べたものか悩みましたが、「中京ダートで成績のいい人の4角の内外を見たら傾向が出るのではないか」と仮定して、中京ダートの勝率上位5人と、中京ダートの騎乗数上位10人の計13人をピックアップして、紙面に掲載している4角の最内~大外の5パターンの出現数・出現率を調べてみました。調査期間は2018年以降。


※画像をクリックしてご覧ください。


 勝率順に並べてみました。一番左はこの期間の中京ダートにおける勝率での順位です。吉田隼騎手の最内率の極端な低さが目立ちますが、それでも順位はむしろ上位。1位の川田騎手と33位の鮫島駿騎手に大きな差は見られず、最内と内を足した数字でも傾向を感じるほどの差はありませんでした。

 しかしながら上位と下位で違いが見られるのは大外の出現率。上位では武豊騎手の大外出現率が極端に高いですが、最も低い福永騎手で4.08%、8位和田竜二騎手で4.76%。高くて6.06%という出現率に収まっています。
 一方で吉田隼騎手から下位の7人は、最も低くて鮫島克駿騎手の7.46%。おおよそ8%前後で推移しています。ざっくりと倍くらいの出現率と見ていいでしょう。

 至極当たり前のようではありますが、中京ダートでは4角でいかに外を回らないかが特に大事、ということでしょうか。コーナーで外からスピードに乗せて直線を迎えたい気持ちをグッと抑えて内でじっと我慢、外に出すなら直線を向き切ってから。リーディング上位のジョッキーが上位に名前を連ねているので馬券的妙味は薄いですが、人気薄のときに、あるいはここぞというときに信頼を置けるジョッキーで勝負!という使い方はできそうです。今週は明日も競馬がありますから、まずは明日使ってみましょうか。
(坂井直樹)