『トリリオンゲーム』は、読み進めるほどに物語の手触りが変わっていく作品だと感じています。
最初は勢いのある成功譚として手に取ったはずが、巻を重ねるごとに、登場人物たちの選択や迷いに目が向くようになりました。


11巻を読み始めたときも、これまでの延長線上にある物語を想像していましたが、ページをめくるごとに、少しずつ空気が変わっていくのを感じました。

 

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📘 【書籍紹介】

『トリリオンゲーム 11』では、これまで築き上げてきた成功や立場が、当たり前のものとして存在し続けるわけではない、という現実が色濃く描かれています。
物語の中心にあるのは相変わらずビジネスですが、その描かれ方はより現実的で、重みのあるものになっている印象です。

 

主人公たちは大きな目標を掲げ、次々と結果を出してきました。
しかし11巻では、その「結果」が新たな責任や緊張を生み、簡単には割り切れない選択を迫られる場面が増えていきます。


勢いや発想力だけでは進めない局面に立たされたとき、人は何を基準に決断するのか。
本巻は、その問いを静かに積み重ねていくような構成になっています。

 

また、人との関係性も重要な要素として描かれています。
信頼している相手だからこそ言えないこと、同じ方向を向いているはずなのに生じる微妙なズレ。


そうした感情の揺れが、ビジネスの場面と並行して描かれることで、物語に現実味を与えています。

数字や成功が前面に出る作品でありながら、11巻では「どんな姿勢でそこに立つのか」という部分に、より視線が向けられているように感じました。


シリーズを通して描かれてきたテーマが、一段深いところへ進んだ巻だと言えそうです。


🕊 【読後の感想】

11巻を読み終えて強く残ったのは、派手さよりも、静かな緊張感でした。
これまでの爽快な展開を知っているからこそ、今回描かれる迷いや立ち止まりが、より印象に残ったように思います。

 

成功を積み重ねてきたからこそ見えてくる景色があり、同時に失うかもしれないものもある。
その両方を抱えた状態で前に進むことの難しさが、言葉にされすぎることなく伝わってきました。


読んでいて、登場人物たちの判断に対して、簡単に是非をつけられない感覚が残ります。

また、仲間との関係性が少しずつ変化していく様子も印象的でした。


同じ時間を共有してきたからこそ生まれる信頼と、立場の変化によって生じる距離感。
そのバランスの危うさが、物語の中で自然に描かれていたように思います。

 

この巻は、大きな出来事よりも、その裏側にある感情や選択に目を向けさせてくれる一冊でした。


読み終えたあと、これまでの巻を思い返しながら、これから先の展開についても静かに考えたくなる、そんな余韻が残ります。


🍃 ■まとめ

『トリリオンゲーム 11』は、物語の勢いを保ちながらも、成功の裏側にある重さや迷いを丁寧に描いた巻でした。


派手な展開だけでなく、登場人物たちの内面に目を向けたい人にとって、印象に残る一冊かもしれません。


シリーズを追ってきた方はもちろん、物語の深まりを感じたいときに、あらためて手に取ってみるのもよさそうです。

 

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