ミッドガル、そこは、新羅カンパニーという大会社が仕切る、まだ建設途中の大都市。
物語はここから始まる。
新羅が魔晄を人々の生活に使い始め、規模を拡大させていくにつれ、新羅に反発する組織も増えた。
今は、ウータイとの戦争の真っ只中だった。
そしてこの頃、新羅がつくり出した、魔晄を浴びた人間、戦闘のエキスパートであるソルジャーの一人である青年が、今日もミッションに燃えていた――
序章 夢を持て
[μ]‐εγλ2000
列車が猛スピードで走っている。遮断機が下りたが、無視して走り続けていた。
その上空を、側面に新羅のロゴがある、一機のヘリコプターが飛んでいた。
列車を追うように飛ぶヘリの中で、ミッションに参加するソルジャーが命令を聞いていた。
スピーカーから、
『新羅列車ムカ九三式〇弐を、ウータイ兵が占拠。列車はミッドガル八番街方面へ向っている。これよりソルジャーを投入し、事態の収拾を図る。作戦内容に変更無し。時計あわせ、3、2、1、マーク。ミッションスタート』
『ソルジャーは降下準備よろし』
ヘリの扉が開き、中から一人の青年が現れた。
黒髪に、ソルジャー独特の青い目をした青年、ソルジャークラス2nd――
「ザックス」
青年――ザックスを、もう一人のソルジャーが呼び止めた。
彼の名はアンジール。ザックスの先輩で、クラス1stだ。
「列車はウータイ兵に占拠されている。速やかに排除し、列車を奪還せよ」
真面目に言うアンジール。が、ザックスは、後輩だろうと先輩だろうと、さらには上司だろうと、態度を変えようとしない。額に指を当て、
「りょ~~か~い!」
かなり、ちゃらけた言い方で返事をし、そのままヘリから飛び降りた。
「まじめにやれ!」
後ろからアンジールが叫ぶ。
列車の屋根に着地し、興奮した顔で前の車両を見ているザックスを見て、アンジールが一応注意をする。
「ザックス、集中!この列車に新羅の兵士は乗っていない・・・分かるな?」
一瞬だけザックスの表情が真剣なものになるが、すぐに楽しげな顔になり、両手をパン、と打ち合わせると、ダッシュを始めた。
車両を1つ飛び越え、次の車両に飛び乗ったそのときだった。
パパパパパン!!!
「うぉ!?」
仰け反ったり前にかがんだりし、いきなり屋根から発砲されてきた弾を全てよける。
「手がこんでるねぇ」
また楽しそうに言うと、すぐ立ち上がり、再びダッシュを始めた。また屋根から弾が飛び出してくるが、ザックスはそれをダッシュで切り抜け、どんどん進んでいく。
ザックスに気がついたのか、列車の中からウータイの兵士達が現れた。全力疾走をしているザックスに銃口を向けるが、
「いらっしゃいませー!」
全員ザックスの剣になぎ払われた。
何度かウータイ兵が妨害しようとしたが、あっけなく全員やられ、もうすぐ先頭車両というところまできた。
再び銃を構えた兵士が現れた。それも、かなりの威力をもった銃をこちらに向けている。
ザックスは小さくしたうちし、どうやってよけるかと辺りを見回す。上を見たとき、建設途中のビルの鉄骨が目に入った。これは使える、と、アイデアが浮かぶ。
ウータイ兵が発砲した。ザックスは、ぐっと膝を曲げると、
「はっ!」
思い切り飛び上がった。鉄骨を踏み台にし、あっけにとられてこちらを見ているウータイ兵達の上を、さらに遠くまで飛んだ。そして、車両の連結部分の真上に来たところで、落下。
剣先を下に向け、
「ソルジャー・クラス2nd、ザックス参上!」
勢いをつけ、連結部分を剣で壊す。
ザックスは、引っ張るものが無くなり、止まり始めた後ろの車両を誇らしげに見た。
剣を収めると、ザックスは、壱番街駅のホームへ飛び降り、ライトをバックに歩き始めた――
今回の新しい登場人物
ザックス・フェア
アンジール・ヒューレー

