そのDVDに収録されていたのは人殺しよりも恐ろしい蛮行だったーーー
◇氷雪のマンハント◇ -Trofæ-
シュテフェン・ヤコブセン 北野寿美枝 訳
急死した大富豪の金庫に隠されたDVDに収められていたのは、若い男の処刑場面だった。男たちの歌声が響き、黒い袋が投げ渡される。中身を見た若者が駆け出し、ライフルの銃声が響く――人間を獲物にしたハンティングなのか? DVDを見つけた大富豪の娘は、プロ調査員のミケールに真相究明を依頼する。彼はわずかな手がかりを追うが、その調査が元軍人の奇妙な死を追う女性刑事の捜査と交差した時、事態は急速に動きはじめた!
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「警備コンサルタント」と言う名前の私立探偵ミケール・サンダはイリザベト・カスパスンから依頼を受ける。彼女の父親フレミングはデンマークでは指折りの会社ソナーテック社の創業者でイリザベト自身も実業家だ。フレミングが心臓発作で亡くなったり、家に空き巣が入ったり不幸と災難続きだがそれに拍車をかける一品が見つかったのだ。
フレミングの金庫から見つかったDVD。そのDVDには、歌が響き渡り、走り出した誰かを射殺している映像が収録されていたのだ!
ーーー人間狩り。イリザベトは自分の父親が非道な所業を行っていたことに動揺し、果たしてそれが本当なのか、映像に映っているのが誰なのか、家族はいるのか、どうしているのか、身元を知りたいとミケールに依頼する。
一方、リーネ・イェンスン警視は結婚式の次の日、首を吊った元軍人アナスンの死について調べていた。手に手錠はかけられていたがそれは偽装工作らしく、真相はどう見ても自殺だ。しかし何かある。そう睨んだリーネは独自の捜査を始めるが娘のヨセフィーネに近づく怪しい影が……
ミケールは映像から場所を特定し、どう考えても単独ではない、誰か仲間がいるに違いないと睨み、故フレミングの友人でソナーテック社の重鎮ヴィクトール・シュミットに接近する。……元軍人による恐ろしい遊戯なのか? ミケールはアナスンの事件を捜査するリーネと接触するが……
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「氷雪のマンハント」です(・∀・)
デンマーク発恐怖と絶望ノン・ストップ・スリラーです。
「マン」はMan、「ハント」はHunt(狩り)と最初分からなかった自分が情けないです。実はデンマーク文学で人間狩りは初めてじゃないです。リンクは貼りませんが超人気作でもなんと登場します。もうすぐ終わっちゃうのか……
結構残虐シーンが多いのでかなり抉られます。敵、というか犯人がプロなのでミケールやリーネたちの追及が容赦無いです。本当に半端ない。最後よりも序盤〜中盤の方がえぐい。……しかし彼らを掻き立てた動機をそう考えるとやっぱり戦場っていうのはやはり人がいて良い場所じゃない。
というか金と権力がある人間はここまで腐るとは……裁かれ方もなんかスッキリしない……しかしエピローグは必見。最後に勝利を収めるのは!
「氷雪のマンハント」でした(・∀・)/
星間戦争は終わった。けれど敵国にはまだ地球人が…… (*^o^*)/