ブルガリア、ウィーン、パリ、そしてまたーーー国と政治と戦争に翻弄される2人の愛の行方は?
◇朱鷺の墓・下◇
五木寛之
再会した夫イワーノフは、収容所で腕を失い、ロシア革命に心を奪われていた。過酷な日々に翻弄されながらも染乃は貧しさに耐え、大陸を流離い、パリへと渡った。こみ上げる望郷の念、混迷する革命運動。再び出逢いの地・金沢に戻った二人だったが、ここにも戦争と国家の罠が。染乃は夫を守り抜くため、誇りを持って生き抜くため、命を賭した取引に挑んだ―。一つの時代を駆け抜けた、強靱な愛。一人の女の流転する運命を、壮大なスケールで描く。
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星組公演
昭和54年(1979年)5月11日〜6月26日
宝塚グランド・ロマン
『白夜わが愛』2部35場
ー『朱鷺の墓』よりー
原作・作詞 五木寛之
脚本・演出 植田紳爾
演出 阿古健
*併演作品はなし
五木寛之氏の長編小説「朱鷺の墓」を原作とした作品。明治末期から大正にかけての日露戦争やロシア革命という激動の時代を背景に、ロシアの貴族イワーノフ(鳳蘭)と、金沢の美しい芸者染乃(遥くらら)との数奇な人生の間に貫かれた誠の愛を追って、ペテルブルグ、金沢、シベリアと舞台を移し壮大なスケールで展開される物語。トップスター鳳蘭のサヨナラ公演であり、次期トップスターの瀬戸内美八が月組から異動して数場面のみ演じた。
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「朱鷺の墓・下」です(・∀・)
もー悉く国と政治と戦争に翻弄される2人の愛が悲し過ぎて辛過ぎる……。゚(゚´Д`゚)゚。 そりゃ宝塚と人類大好き純愛はあるけどこんなのって……こんなどシリアス理不尽悲恋ものを1本でやった植田先生と組員の心境は如何に……現に今、このブログを電車の中で泣きながら書いてます。こんなこと初めてだよ……
しかも金沢に帰ってからの方が辛いとか……国家や政治や戦争で踏み躙られる幸福と愛ほど悲しいものは無い……イワーノフを死なせたのは当時の日本の無教養、そして、そうだと気付かない無知と無理解であることは最後の花井の態度が証明しています。
この本を読み終わると「朱鷺の墓」という題名の巧さとただ2人幸福に暮らしたいというささやかな願いさえ踏み潰す日本という国家と政治と国際社会に出るという名目で戦争に参加した事実に対する糾弾が顕になります。
お願いだから日本を「朱鷺(外国には有るけど日本では遂に滅んでしまったもの)の墓」にしないでくれ……
「朱鷺の墓・下」でした(・∀・)/
次回、このミス!1位作品登場!(*^o^*)/