川上弘美 No.21◇風花◇ | 星よりも大きく、星よりも多くの本を収納する本棚

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9年間の海外古典ミステリ読破に終止符を打ちました。

これからは国内外の多々ジャンルに飛び込みます。




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1本の電話が夫婦を揺さぶる。その時、2人はどう変わり、どこに移ろうのかーーー

 

 

 

 

 

◇風花◇

川上弘美

 

 

ねえ、わたし、離婚したほうがいいのかな。普通の夫婦を続けていくって、どういうことなんだろう―。のゆり、33歳。結婚7年目の夫・卓哉の浮気を匿名の電話で知らされた。卓哉に離婚をほのめかされて、途方に暮れながらも日々の生活は静かに続く。やがてのゆりは少しずつ自分と向き合い、一歩ずつ前へと進み始める。移ろう季節のように、ゆるやかに変わっていく愛の形を描いた傑作恋愛小説。

 

 

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「風花」です(・∀・)

お久しぶりの川上弘美です。実に半年ぶり。

 

 

この方、色々なジャンルの作品を書いていますが今回は恋愛小説。離婚寸前の夫婦の話。けれど怒りも無く修羅場も無く慰謝料も無く←表向き、夫婦生活は続いていきます。

というかもしかしたら慰謝料云々って相当の泥沼で、大抵の夫婦はこんな風に静かに離婚を仄めかしたりされたりして静かに結論を出すんだろうか……

 

 

けれどその中で主人公のゆりは季節の中、まるで風に吹かれる花のように、様々な出来事中で出会った人たちと関わる中で自分と夫の卓哉を見つめ直していきます。その様子は静かで優しいですが哀しいものが有ります。やはり何物も知らなかった、気付かなかったというのは哀しい。

それはのゆりにも卓哉にも言えますが、のゆりは話の終わりで自ら独りになることを「得て」、卓哉は話の終わりで決定的に何もかもを「失う」ところが違いますね。そりゃねー罪は永遠に償えないものですから。身勝手もいい加減にしろ。

 

 

「風花」でした(・∀・)/

ようこそ、新部署へ〜(*^o^*)/