美食はウルフの最高のお供!
◇ようこそ、死のパーティーへ◇Cordially Invited to Meet Death-
レックス・スタウト 鬼頭玲子 訳
美食やアメコミを題材にした三つの難事件を収録する第2弾!日本独自編纂の傑作中編集。悪意に満ちた匿名の手紙は死のパーティーへの招待。神秘のベールに覆われた不思議な事件にネロ・ウルフが挑む。
☆*:.°. .°.:*☆☆*:.°. .°.:*☆☆*:.°. .°.:*☆
1.ようこそ、死のパーティーへ
(Cordiary Invited to Meet Death)
……セレブの為にパーティーを企画するベス・ハドルストンを中傷する手紙がその顧客に届くようになった。送り主を特定してほしいとウルフに依頼したは良いが彼女は消毒液に仕込まれた破傷風菌で死んでしまい……
2.翼の生えた銃
(The Gun with Wings)
……高名だが怪我で喉を痛めたオペラ歌手ミオンが口に銃を突っ込まれて撃たれた。間違いなく、どう見ても自殺にしか見えないがミオン夫人と恋人ウェプラーが彼を発見した時、拳銃はミオンの傍に無かったという……
3.『ダズル・ダン』殺害事件
(The Dazzle Dan Murder Case)
……人気のアメコミ『ダズル・ダン』がウルフとコラボする! ……がそれは表向き。実は作者コーヴェンの拳銃が紛失したのでアーチーの銃を忍ばせて反応を窺いたいというのも有る。がそのアーチーの拳銃が殺人事件に使われてしまい、依頼人のせいでウルフの探偵免許剥奪の危機に!?
☆*:.°. .°.:*☆☆*:.°. .°.:*☆☆*:.°. .°.:*☆
「ようこそ、死のパーティーへ」です(・∀・)
黒い蘭をお土産に美食と洒落込みます。まぁ、美食が絡むのは1だけですが……はっきりいってコンビーフ・ハッシュ、すごく美味しそう。巻末にレシピがついているので本当に作るのもありです! でも肉挽き機なんか無いよ普通……
1はまさかの細菌殺人。うーん近現代の殺人ですね。破傷風って錆びた釘から感染するイメージですが実は色々なところに潜んでいるんですね……しかも激痛ものなのに意識ははっきりしているとか……恐ろし過ぎて卑劣すぎる。
2はあちらこちらに移動して文字通り翻弄させる拳銃の物語。どいつもこいつも皆、嘘つきです。というかスタウト作品には探偵に歯向かう容疑者しかいません← ……よくよく考えればトリックは分かりますがこれからは迂闊に口を開けられなくなります。
3は史上最大の嘘つき容疑者爆誕。お前、依頼人だろうが!← 犯人よりもアメコミよりも奪還!アーチーの潔白とウルフの探偵免許の方が気になる。
「ようこそ、死のパーティーへ」でした(・∀・)/
次はブラッドベリ初の戯曲です(*^o^*)/
そして……
海外古典ミステリを読み漁るのを今日で最後にさせていただきます。
スタウトもネロ・ウルフも途中なのですが、今日限りでブログ開設前から読んでいた海外古典ミステリとさよならさせて頂きます。いつかはまた読み直すかもしれませんがそれがいつかは本当に分からないし、そうなっても今のような形ではきっとない。
こんな形で、しかもいきなり予告無しで申し訳なく思います。でも今の私は
古典ミステリよりも現代ミステリを読みたいし、
ミステリよりも純文学が読みたいし、
SFや幻想小説をもっと読みたいです。
そして何より古典ミステリを読破するのがいつのまにか義務化してしまったのが苦しいんです。
クリスティーから始まって9年間、たくさんの古典ミステリを読んできました。……まさかそれを終わりにする時が来るなんて思いもしなかった。でも古典ミステリ無しに今の自分はいなかった。少なくとも小説を書ける自分はいない。
……本当ならシムノンではっきり終わりにすれば良かったのです。マンネリ化しても惰性で付き合っているカレカノのようにずるずる一緒にいてはいけなかった。でも今なら笑顔でお別れ出来る。
これからはスタウトの位置には私が読みたい!と思った作品が入ります。もう本当に何が来るか分からない。今のところ4作ほど決まっています。北欧ミステリと日本近代文学と宝塚文学以外の何かです←
ウールリッチとアイリッシュも実は揺らいでいるので「幻の女」まではもう少し頑張ろうと思います。いや私の心しだいではもう色々すっ飛ばして「幻の女」に行くかもしれない←
9年間は長かった。故に私の心は変化した。それが間違いでなく、成長の証で有ると肯定してもらえれば幸いです。ブログの名前、変えなきゃな。
ではさようなら、古典ミステリ! いざ新しい局面へ!