ラジオドラマで名探偵!
◇消える魔術師の冒険◇ -The Adventure of the Vanishing Magician And Other Radio Mysterius-
エラリー・クイーン 飯城勇三 訳
本格、密室、不可能犯罪、サスペンス。クイーン・ファン待望のラジオドラマ集!第18回本格ミステリ大賞評論・研究部門受賞者飯城勇三氏による日本版オリジナル編纂!
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「お茶の間の安楽椅子探偵のみなさんは、今夜の謎を解くのに頭を悩ませるでしょうね。というのも、今回の解決の要は、手がかりにあるのではなく、手がかりが"存在しない"ことにあるのです。ぼくはこの物語をこう呼びましたーーー」
1.見えない足跡の冒険
(The Adventure of the Invisible Footprints)
「みなさんには今夜、シーモア・ドウィギンズをめぐる風変わりな事件をお聴かせしましょう。……彼は、トラブルをどうしても避けることができない若者です。ぼくはこの物語をこう呼びましたーーー」
2.不運な男の冒険
(The Adventure of the Unlucky Man)
「今夜の事件は、みなさんの安楽椅子探偵としての才気に対するまぎれもないテストになるでしょうね。というのも、"ぼくたち"自身が頭をとことん悩ませたことを確言できるからでふ。自由自在に姿を見せる男の物語。ぼくはこの物語をこう呼びましたーーー」
3.消える魔術師の冒険
(The Adventure of the Vanishing Magian)
「今夜お送りするニッキイとぼくの冒険は、路上で停車中のタクシーを調べたぼくたちが、運転席で死んでいる男を見つけたことから幕を開けます。ぼくはこの物語をこう呼びましたーーー」
4.タクシーの男の冒険
(The Adventure of the Man in the Taxi)
「今夜みなさんにお送りするのは、一風変わった物語です。いつものように、罪なき人々の中から殺人者を探し出すのではありません。四人の殺人者の中から、殺人者を殺した殺人者を探すのです。ぼくはこの物語をこう呼びましたーーー」
5.四人の殺人者の冒険
(The Adventure of the Four Murderers)
「今夜の物語は、ぼくが色盲についていろいろ調べようとしたために巻き込まれた事件に関するものです。ぼくはこの物語をこう呼びましたーーー」
6.赤い箱と緑の箱の冒険
(The Adventure of the Red and Green Boxes)
「みなさんには今夜、サイドショーを舞台とする事件をお話ししましょう。芸人たちの価値のない持ち物が次々と盗まれるのです。そして……ぼくはこの物語をこう呼びましたーーー」
7.十三番目の手がかりの冒険
(The Adventure of the Thirteenth Clue)
8.舞台版『13番ボックス殺人事件』紹介
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「消える魔術師の冒険」です(・∀・)
「ラジオドラマで名探偵!」のエラリー・クイーン脚本集第4冊目です。声だけ本物になったエラリーたちがまた帰ってまいりました! ラジオドラマでもエラリー・クイーンの冒険を楽しめた当時のアメリカが羨ましいです。もしかしたら5作目もあり得るということでそれも今から楽しみです!
お茶の間のお楽しみに流れる、ということで事件の内容は軽く、真相も「んな馬鹿な」ってものから「そんな簡単なことだったのか!」ってものまであっさりしています。ラジオ視聴者にも「分かった!」と叫ぶことができるように配慮したものと思われます。相変わらずエラリーは伊達男風だし、ニッキイはエラリーの後ろをちょこちょこ動き回り、ヴェリーは3枚目キャラ。警視パパだけが本家とあんまり変わらなくて安心する……←
最後は2019年に日本で舞台化された『13番ボックス殺人事件』の脚本です。これ、観に行きました! 懐かしい〜まだコロナのコの文字も出ていなかった時代の話です……
「消える魔術師の冒険」でした(・∀・)/
前回のチェスタトンの拾いこぼしが思いの外多そうだった為次はチェスタトンです(*^o^*)/