死体がいつのまにかすり替わって消えた!? 《G7》の推理が冴える!
◇イトヴィル村の狂女◇ -La Folle D'Itteville-
ジョルジュ・シムノン 長島良三 訳
未訳中篇発掘。消えた2つの死体と《G7》刑事。
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推理小説を書く「わたし」は《G7》と呼ばれる自家用車持ちの刑事と一緒にイトヴィル村に向かった。
郵便局長がすすり泣くブロンド娘と村の名士カニュ医師の死体を見つけ、憲兵隊を呼びに行った。ところが駆けつけると娘はそこにいるけど死体はナイフを突き立てられた全くの別人になっていた! しかもカニュ医師は生きていた……
《G7》はそのカニュ医師に会いに行く。そしたらその別人の遺体も消えていた! 遺体と一緒にいたブロンド娘のマルトはショックを受けやすい性格だ。わたしは《G7》の不躾さに怒るものの銃声が聞こえたら麦畑の案山子を撃つという指示を受ける……
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「イトヴィル村の狂女」です(・∀・)
メグレ警視以外にも意外にシリーズものを書いているシムノン。この《G7》ものもその1つです。実はこちらの短篇集で既に登場しています。って3年前の話!? どんだけシムノンにかかりっきりになってるんだ!!← 3年も前の話なのでどんな風に出会ったのか忘れましたすみませんm(_ _)m
さて、本作。まさかの死体が別人に変わったり、その死体の医者は生きていたり、その別人の遺体がいきなり消えたりと謎、というか怪奇の匂いがぷんぷんします。読んでいる時にはそう思わなかったのですが……多分《G7》があっけらかんとして語り手のわたしが狂女もといマルトに心奪われているからだな、きっと。でも真相はやはり人間の愚かさと悲哀さで……そこがシムノンなんだよな。
一応ミステリーなのでまぁ遺体すり替え&消失の謎はよくよく考えれば分かるわけで……しかし遺体をそうするってアメリカの推理小説でも時々見かけたけど正気じゃないよな……というか日本でもあるので出来ますよね。見たくないけど!
「イトヴィル村の狂女」でした(・∀・)/
次は……ネロ・ウルフ、緊急事態じゃないのに外へ出る!?(*^o^*)/