冬眠が不意に終わってしまったムーミントロールが知る初めての冬世界!
◇ムーミン谷の冬◇ -Trollvinter-
トーベ・ヤンソン 山室静 訳
まっ白な雪にとざされたムーミン谷。パパとママといっしょに冬眠にはいったのに、どうしたわけか春がこないうちにたった一人眠りからさめてしまったムーミントロール。はじめて知る冬の世界で彼のすばらしい冒険がはじまった…。冬のムーミン谷を舞台にヤンソンがつづるファンタジー童話の傑作。
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第1章…………雪にうずまった家
第2章…………水あび小屋のふしぎ
第3章…………大きな白うま
第4章…………おかしな人たち
第5章…………あたらしいお客たち
第6章…………春がきた
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「ムーミン谷の冬」です(・∀・)
まず、これを読むまでムーミントロールが冬眠することすら知りませんでした。今まで本当にムーミンの何を知っていたんでしょうって感じですわ←
そう、ムーミンたちは11月から4月まで冬眠して冬を越すのです。だからムーミンたちは冬を知らないんですね。先祖がそうであったようにムーミンたちはずっと冬を知らなかったし、今年の冬も知ることは無い。そしてこれからも知ることは無いーーーと思っていました。月の光がムーミンの顔を照らすまでは。冬眠が早く終わってしまったムーミンはたった独りではじめての冬を経験し、ちびのミィと一緒に、おしゃまさんや氷姫、ご先祖様といった冬でしか出会えない人たちと出会い、話をしたり、ワクワクしたり、怯えたり、はじめての世界ではじめての感情を知っていくその過程に引き込まれます。
北欧の人たちにとって冬はものすごく長くてものすごい暗い季節です。ムーミンに冬眠をさせたいのは北欧の人が家に篭るのと一緒でしょう。しかしそれでも冬は世界に存在する訳ですからいつか会う時がありましょう。おしゃまさんたち冬の住人は無愛想ですが、寂しがり屋で照れ屋でもあり、厳しさの中で強かに生きていける勇気があります。ムーミンも物語が終わる頃には冬の住人らしく自分1人で事を成し遂げることを知っていきます。ムーミン童話中唯一の冬の物語はムーミントロールの成長物語なんですね。
これにしてムーミンの物語は一先ずおしまい。いつか気が向いた時ーーー例えば冬のある日にでも残りの5冊を読みたいと思います(・∀・)/
明日からはやっと通常の輪に戻ります(*^o^*)/