アンソニー・ホロヴィッツ No.1◇カササギ殺人事件・上◇ | 星よりも大きく、星よりも多くの本を収納する本棚

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9年間の海外古典ミステリ読破に終止符を打ちました。

これからは国内外の多々ジャンルに飛び込みます。




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1人の家政婦の死が村の人間たちの生活に"カササギ"をもたらすーーー

 
 

 
◇カササギ殺人事件・上◇ -Magpie Murders-
アンソニー・ホロヴィッツ 山田蘭 訳
 
 
1955年7月、サマセット州にあるパイ屋敷の家政婦の葬儀が、しめやかに執りおこなわれた。鍵のかかった屋敷の階段の下で倒れていた彼女は、掃除機のコードに足を引っかけたのか、あるいは……。その死は、小さな村の人間関係に少しずつひびを入れていく。余命わずかな名探偵アティカス・ピュントの推理は──。アガサ・クリスティへの愛に満ちた完璧なるオマージュ・ミステリ!
 
 
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サマセット州サクセビー・オン・エイヴォンに住むパイ准男爵屋敷の家政婦メアリが死んだ。掃除機のコードに躓いて転んで首の骨を折ったらしい。それだけならただの事故死だと言える。ところがサクセビー・オン・エイヴォンの住人たちはそれぞれ彼女について思うことがあった。
 
 
一方、著名なドイツ人探偵ピュントは医者から余命幾ばくも無いことを告げられる。世界大戦中収容所で家族と友人全員を亡くしたピュントにとって死はそう恐怖でも無い。粛々と受け入れ、その為の準備をする。其処にジョイと名乗る女性が訪ねる。彼女は家政婦メアリの息子ロバートの恋人でロバートが実は母親を殺したと疑われている、なんとかして欲しいと訴える。その時はあまりたいした助言もできずに帰したが、後日今度はパイ屋敷の主人サー・マグヌスが首を刎ねられて殺されたというニュースを聞く……
 
 
調べていくうちに家政婦メアリは村の住人たちの粗探しをしていたことが分かる。彼女は何か知ってはいけないことがあったのか。それはやがてパイ屋敷の3つの死のベールを剥がすことになるーーー
 
 
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「カササギ殺人事件・上」です(・∀・)
 
 
仕事も休業、外出はままならない、図書館も利用できない、さぁ、本が好きな諸君はどうする! 買いだめした本で読書日和だ!! ということで昨今あらゆる賞を獲得した本書です。こんなタイミングで読むことになろうとは……あー神保町に行きたい……
 
 
実はこの本、ベストセラーなのは知っていましたがなかなか読む気になれなかったんです。というのも作者のホロヴィッツがオマージュ作品しか書いていないイメージしか無かったから← あまりオマージュが好きでは無い私にはこれも先人たちのイメージを壊さないように書いた作品でしょう……? という先入観が抜けず……でも読まないのも読まず嫌いだよね、ちょっとそれもなー……ということで読みました。
 
 
本書は物語の中の物語です。プロローグとして現代の時間軸の語り手がおり、不吉な一言と共にその物語「カササギ殺人事件」が始まります。もはや此処でオマージュ以上の何かがあります。早くも私の先入観が崩れ去る予感……下巻が早くも気になります! ……というかここの広告って本当なんだろうか……ドラマ化したら観たいんですが。
 
 
そして事件も気になります。エルキュール・ポワロがモデルの探偵ピュント。戦争の影を引きずっているところ(ドイツ人というところが皮肉ですが)、几帳面なところ、勿体ぶるところはそっくりです。余命幾ばくも無いところは「カーテン」にも似てますがまさか……ねぇ?
 
 
クリスティー作品の良いところは新ポワロシリーズでもそうであるように人物描写が生き生きと、生々しいところです。メアリが今で言う毒親に見える……流石はオマージュ作品。クリスティーの良さは何も壊していません。
ただどうでもいい疑問なんですが、たかだか貴族院に籍も置かない平民位の准男爵家が戦後も屋敷を保持出来るのか?  グランサム伯爵家なんて一次世界大戦後から既に大変だったのにすごいな、おい。よっぽど時代錯誤的で傲慢だったんだな……
 
 
物語は読者を続きが気になる!ストレスで殺しにかかる一文で終わっています。本書を読もうかなと思っているそこのあなた、上下巻ともに買うことをお勧めします!
 
 
それではGo! 下巻!(*^o^*)/