文字は語りの役割があるーーー
◇滴り落ちる時計たちの波紋◇
平野啓一郎
ネット展開するグレーゴル・ザムザ、引き篭もり世代の真情あふれる「最後の変身」から、ボルヘスの〈バベルの図書館〉を更新した「バベルのコンピューター」まで、現代文学の旗手による文字どおり文学の冒険。さまざまな主題をあらゆる技法で描きながら突き進むこの作品集は、文学の底知れぬ可能性を示している。
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1.白昼
2.初七日
3.珍事
4.閉じ込められた少年
5.瀕死の午後と波打つ磯の幼い兄弟
6.les petites Passions
7.くしゃみ
8.最後の変身
9.『バベルのコンピューター』
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「滴り落ちる時計たちの波紋」です(・∀・)
収録作品数が少ないのでいつもならあらすじを入れるのですが、本書はちょっと話らしい話が無い作品もあったので省かせて頂きました。というか「どう書けばいい!?」といった体で……平野啓一郎の短篇は文字の語り方が特徴的で小説を楽しむ分には良いのですが、作品紹介という点で難しくて……
日常の側にある非日常と幻想性。日常の側に『物語』があるのでは無く、全く別の貌を見せるところがあります。簡単に言うと「○○は実は△△である」みたいな。そして世界を掘り下げることに人間と世界がとてつもなく計り知れないもののように見えてきます。
本書の目玉は21世紀版『変身』の8ですが、カフカを読んでから読んだ方が絶対に面白いと思いました。ザムザがどんなふうに語るのかも分からないので相違点が分からない……『変身』は不条理ものだと聞きましたが、『最後の変身』は一応引き籠りになった経緯が誇大な語り方で語られています。そう考えるとザムザの虫の変身にも底知れない意味が……? とりあえずカフカを読むか!←
『滴り落ちる時計たちの波紋』でした(・∀・)/
次は今日の曜日が題名です←(*^o^*)/