空想作家と哲学者。
◇ザ・ベスト・オブ・H・G・ウェルズ◇ -The Best of H・G・Welles-
H・G・ウェルズ 浜野輝変 訳
“グローバルな視野をもった生態学的文明史家として、世界人権宣言や世界連邦政府のキャンペーンを展開した楽観主義的な啓蒙思想家として、あるいはSF分野を確立した先駆的作家としての巨人ウエルズ、その千の目、千の舌の全貌が一望のもと収まるよう意図して編まれた傑作中短篇集。
ある沼沢地を中心に広がっていく恐怖、人々の精神錯乱、殺人の拡大を描いた奇妙な味わいのあるサイキックな怪談『クローケー・プレーヤー』をはじめ『星』『ダヴィドソンの眼の異常な体験』『手術を受けて』『この惨めな靴』『盲人の国』『溶鉱炉』『くぐり戸の中』『最後の審判』『近い将来の物語』『いやな奴』など本邦初訳を含めて収めた読者垂涎の作品集。”(カバー裏紹介文)
ある沼沢地を中心に広がっていく恐怖、人々の精神錯乱、殺人の拡大を描いた奇妙な味わいのあるサイキックな怪談『クローケー・プレーヤー』をはじめ『星』『ダヴィドソンの眼の異常な体験』『手術を受けて』『この惨めな靴』『盲人の国』『溶鉱炉』『くぐり戸の中』『最後の審判』『近い将来の物語』『いやな奴』など本邦初訳を含めて収めた読者垂涎の作品集。”(カバー裏紹介文)
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1.星
(The Star)
……「タイムマシン」参照。
2.この惨めな靴
(The Misery of Boots)
……靴産業から考える世界の不条理と世界を変革する方法。
3.いやな奴
(The Grisly Folks)
……「イカロスになりそこねた男」参照。
4.ダヴィッドソンの眼の異常な体験
(The Case of Davideson's Eyes)
……「モロー博士の島・他九篇」参照。
5.手術を受けて
(Under the Knife)
……わたしは手術を受けることになった。医師ハドンの手術中にアクシデントが起こり、わたしは一時世界を見た!?
6.近い将来の物語
(A Story of the Days)
……22世紀。その世紀に不似合いな昔的な、牧歌的な暮らしと文化を好む男女は催眠術の妨害もものともせずに無謀な新生活に出るが……
7.盲人の国
(The Country of the Blind)
……「タイムマシン」参照。
8.怪鳥イーピヨルニスの島
(AEpyornis Island)
……「モロー博士の島・他九篇」参照。
9.くぐり戸の中
(The Door in the Wall)
……「タイムマシン」参照。
10.愛の真珠
(The Pearl of Love)
……愛する王妃を亡くした王様は悲しみに暮れて王妃を記念する建物"愛の真珠"を作らせることにした。彼の芸術センスは次第に繊細なものになり、終いにはーーー
11.最後の審判
(A Vision of Judgement)
……らっぱが鳴り響き、ついに最後の審判の時が来た。神が我々人間に下した判決とは……
12.溶鉱炉
(The Cone)
……ラウトは製鉄社の支配人ホーロックス夫人と逢引し、翌日駆け落ちすることを企んでいた。その話の最中にホーロックスが帰って来、ラウトを製鉄所と燃え滾る溶鉱炉に案内する……
13.クローケー・プレーヤー
(The Croquet Player)
……わたしはカインズ沼沢地の近くに住むフィンチャントン博士からその沼から古代の骨が掘り起こされたのをきっかけに恐怖というものが具現化し、博士の生活を生活を脅かしたという恐ろしい話を聞かされる。その恐怖……怒りと衝動に駆られるそれの正体とは?
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「ザ・ベスト・オブ・H・G・ウェルズ」です(・∀・) 名前のまんまです← 本当はヴェルヌの予定だったのですが本が届かなかったのでウェルズを引き延ばしました。なので次はヴェルヌです。
ヴェルヌは作家であると同時に啓蒙思想家でもあり、本書もその側面がバリバリ本領発揮されています。その傾向が強いのは2.3.6.13。人間とは? 歴史とは? 世界とは? が紙狭しと語られます。さすが人権宣言や日本国憲法に影響を与えた作家です……いや作家で括るのは狭量過ぎますね!
いやウェルズにはヴェルヌと違って純粋なワクワクはありませんが、深く考えれば考えるほど沼にはまっていくような一種の怖いもの見たさがあります。取っつきにくいけどもう少し話したい! みたいな。話は難しいんですがね。
「ザ・ベスト・オブ・H・G・ウェルズ」でした(・∀・)/
そんなわけで次はヴェルヌです(*^o^*)/