アンネ・ホルト No.3◇凍える街◇ | 星よりも大きく、星よりも多くの本を収納する本棚

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9年間の海外古典ミステリ読破に終止符を打ちました。

これからは国内外の多々ジャンルに飛び込みます。




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冬のオスロで起こった一家惨殺事件。その一家と一緒に殺された出版コンサルタントの秘密とは?

 
 
 
◇凍える街◇ -Sannketen Bortenfor-
アンネ・ホルト 枇谷玲子 訳
 
 
ハンネ・ヴィルヘルムセン、オスロ市警の腕利き女性犯罪捜査官。クリスマス休暇直前の真夜中近く、緊急の呼び出しを受ける。高級住宅街で四人の他殺死体が発見されたというのだ。被害者は海運会社の社長とその妻、長男、そして身元不明の男。捜査線上に浮かんだのは会社の継承をめぐる確執。相続がらみの事件? だがハンネは、四人目の被害者のことが気になっていた。伝説の女性捜査官が事件を追う、ノルウェーの人気警察小説登場!
 
 
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クリスマス前。休暇前で誰もが浮足立つ頃。ハンネはそんな気分とは遠かったが、それでもパートナーのネフィスや家政婦のマリーがクリスマスの準備を頑張っている。
 
 
そんな真夜中、ハンネは良き同僚ビリー・Tから緊急招集を受ける。高級住宅街フログネルで殺人事件が起こったのだ。大事件だ! 殺されたのはその一家の父親、母親、長男の息子、そして身元不明の男。身元不明の男はまもなく出版コンサルタントだと分かるが、なぜこの男がこの一家の家にいたんだろうか? 本当にこのスタールバルク家の招待客だけ、なのか?
 
 
スタールバルク家は海運会社の創業者でその長男と次男が会社の継承権でもめていることが分かった。動機はそれなのか? 一族の間にはまだです秘密があるようで……
 
 
恋人セシルイェを失ったハンネはどこか不安定な状態だった。相変わらず独走暴走の頑固屋ハンネは警察に潮時を感じ……
 
 
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「凍える街」です(・∀・)
久しぶりのアンネ・ホルト、同性愛者の闘う強い女ハンネ・ヴィリアムセンの第7作目です。
 
 
「……まだ3冊しか読んでいませんが!?」
それでも本国では当時7作目を出したところでわたしたち日本の読者が知らないうちにハンネは警部になり、ハンネのパートナーが変わっていたり、ビリー・Tとの関係が激変していたり、当時下っ端だった若者が立派にハンネに意見できるようになったりしています。
1番びっくりだったのがセシリー(ここではセシリイェ)がいなくなって、いつのまにかネフィスというトルコ人に変わっていたことですが、まさかの死亡。しかも描写からしてどうやら病死ではなく、事故か他殺か自殺のようで「ハンネ……。゚(゚´Д`゚)゚。」って感じです。ハンネは始終精神的に不安定で頑固と独走&暴走に拍車がかかっています。友人ホーコンに見限られるってよほどですよ。
 
 
そしてさらに警察にも見切りをつけます。確かにハンネは上でも書いた性格なので集団行動第一の警察には向かない人です。まさに「彼女には向かない職業」です。もしかしたら次作からは警察辞めて探偵事務所を開くとか!? そういう話も出たし!
 
 
さて、今回の事件は一家惨殺事件。会社の創業者夫妻とその長男が自宅で殺され、そこになぜか出版コンサルタントの遺体もあります。彼も一緒に殺されたわけです。ハンネは出版コンサルタントの存在が気になるわけですが……
ここ、かなり違和感あって「どうしてハンネ以外は誰も彼の存在が気にならなかったんだろう……」という思いが拭い切れませんでした。一家皆殺しって余程のことだし、口封じにしたって出版コンサルタントですよ? 海運会社社長の家にいたら「うん?」な存在を「たまたま居合わせただけ」で片付けるっておかしくないか? いやおかしくないにしろ、もう少し調べたから切り捨てろよ……と思ったのは私だけか?
 
 
あと事件の真相が分かるまでが唐突で「えっ!? いきなりそう来るかい!?」ってところが終盤の方で結構あって……やっぱり言っちゃ悪いが……「特捜部Q」シリーズや「ハリー・ホーレ」シリーズの方が面白いなと思ったり……カールはともかくとしてハリーは好きじゃないですが←
 
 
「凍える街」でした(・∀・)/ 
次はスタンダード島で出会ったあの男!(*^o^*)/