アーサー・C・クラーク No.9◇明日にとどく◇ | 星よりも大きく、星よりも多くの本を収納する本棚

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9年間の海外古典ミステリ読破に終止符を打ちました。

これからは国内外の多々ジャンルに飛び込みます。




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人類と異星人、生命体の出会いはどのような明日を作るのか?

 
 
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◇明日にとどく◇ -Reach For Tomorrow-
アーサー・C・クラーク 山高昭 訳  
 
 
太陽はあと7時間でノヴァと化し、その星系の壊滅は避けられぬ運命だった。だが、一隻の銀河系巡視宇宙船が、その第3惑星をめざし全速力で航行していた。わずか数日前、そこに知的生命体の種族が棲息していることが判明したのだ!人類を救出すべく地球にやってきた異星人たちの活躍をスリリングに描きだす、巨匠クラークの代表作「太陽系最後の日」、五百万年前に滅亡した古代文明の謎を解明しようと、木星の衛星に遠征した調査隊の驚くべき発見とは「木星第5衛星」、地球人と異星人のファースト・コンタクトをユーモラスに描く「親善使節」など、傑作12篇を収録。
 
 
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1.太陽系最後の日
  (Rescure Party)
  ……太陽系壊滅まであと7時間に迫ったその惑星には知的生命体が棲息しているーーー! アルヴェロン、オロストロンら異星人たちは全力でその人類を救出しようとするが……!
 
 
2.闇を行く
  (A Walk in the Dark)
  ……トラクターは故障、懐中電灯も壊れた中、宇宙港まで完全に真っ暗闇を歩く羽目になったアームストロング。彼はその道中、人から聞いた恐ろしい話を思い出し……
 
 
3.忘れられた敵
  (The Forgotten Enemy)
  ……寒波に襲われた地球にて。雪と氷で壊滅したロンドンにたった1人残っていたミルウォード教授が見た「敵」とは?
 
 
4.エラー
  (Technical Error)
  ……超電導原理で動く発電機のある発電所で大事故が。それに技師が1人巻き込まれたが、それからそのネルソンは左右を逆に認識するなど奇妙な振る舞いを見せる……
 
 
5.寄生虫
  (The Parasite)
  ……妻も愛人も捨ててシレーヌに引き込んだコナリイ。彼を追ってきたピアスンはコナリイの脳に居座り、感情を共有する恐ろしい寄生虫の存在を目の当たりにする……
 
 
 
6.地中の火
  (The Fires Within)
  ……友人カーンがわたしに寄越した報告書。それは15マイル地下に存在する都市とそれを建設した生命体のことが書かれ、何の因果か300年前の謎の答えだった!
 
 
7.目覚め
  (The Awakening)
  ……マーランは何不自由ない、しかし退屈な世界を見限り、冷凍冬眠ではるか未来まで眠ることにした。冥王星の彼方まで飛ばされ、長い眠りから覚めたマーランが見たものとは?
 
 
8.親善大使節
  (Trouble With the Natives)
  ……惑星(地球)に降り立った宇宙人のクリスティールとダンスター。テレビとラジオ番組でその惑星の言葉は覚えたが、意思疎通が出来ず、とうとう閉じ込められる羽目に!?
 
 
9.呪い
  (The Curse)
  ……ロケット弾によって壊滅した世界的に名高い小さな町。そこには世界的によく知られたく墓碑銘。たとえそれを水が覆っても言葉は消えない。
 
 
10.時の矢
  (Time's Arrow)
  ……ファウラー教授の下、地質学の調査を行なっていたバートンとデイヴィスは谷の下の建物が気になっている。そこにいるのは低温物理学の権威バーンズとヘンダースンがいると言う。2人は彼らは過去を見る機械を開発していると考えるが……
 
 
11.木星第五衛星
  (Jupiter Five)
  ……かつて火星には2つの文化があった。1つは昆虫型、もう1つは爬虫類型。爬虫類型のX文化はよその惑星から来た可能性があると言う。一行が目指したのは木星の第五衛星。木星の第五衛星は……巨大な宇宙船だった!?
 
 
12.憑かれたもの
  (The Possessed)
  ……宇宙を放浪する"群れ"たちは取り付く生命体を得るためにその惑星に留まる方と、さらなる惑星を探し求める方と別れ、約束を交わす。ところが、あまりにも長い年月は"群れ"が持っていた力も記憶も奪ってしまい……
 
 
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「明日にとどく」です(・∀・)
なんか久しぶり感満載ですね(苦笑)
 
 
クラーク短編集、第2巻です。
クラークも9冊目に入りました。クラークは結果をはっきりと書く作家ではなかったようですが、文体にも慣れてきました。
 
 
さて、本書はクラークの傑作、いや最高傑作と名高い「太陽系最後の日」が収録されています。これは1945年に書かれたので1956年に本書を出した当初「今までの10年、下り坂?」と序文で零す羽目に……アシモフで言う「夜来たる」的ポジションです。若いうちに傑作を出すと歳をとって苦労するんですね……(゚ーÅ)
「太陽系最後の日」は異星人たちによる人類救出ドラマです。必死に人類を探すところもスリリングですが、最後の嵐の予感めいたところに続きが気になりました。
 
 
本書は人類と異星人、または知的生命体の出逢いがテーマです。ゾッとさせる知的生命体から8のような、ぷっと笑える異星人、人類に無力を感じさせる異星人と知的生命体の文化まで幅広く色々な「宇宙」の生命に出逢えます。現実世界だと新しい惑星や衛星は発見できても生命体にはお目にかかれないのでせめて小説の中では出逢いたいと思うのは道理だと思いません?←
 
 
 1ももちろん良いですが、8と11も面白いです。2と5は生命体の恐ろしさにそれに対する人間の無力さが際立ちます。
 
 
ちなみに8に「白鹿亭」という名前が出てきますが、これ、クラークの短編集と同じ名前なんですよね。「白鹿亭奇譚」。もしかしたら「白鹿亭」というお店で語られたお話の1つなのかも。
 
 
「明日にとどく」でした(・∀・)/
次はエデンボロに帰ってきたジュナとチャンプのお話です(*^o^*)/~