アーサー・C・クラーク No.8◇都市と星◇ | 星よりも大きく、星よりも多くの本を収納する本棚

星よりも大きく、星よりも多くの本を収納する本棚

9年間の海外古典ミステリ読破に終止符を打ちました。

これからは国内外の多々ジャンルに飛び込みます。




TwitterもといX: 「https://twitter.com/KYoCaTHouWoR
エブリスタ: https://estar.jp/users/153193524

そして都市は再び星を知るーーー

 
 
{2A21EC30-6A89-4152-97CA-8E9EC4F4C47B}

 
◇都市と星◇ -The City and the Stars-
アーサー・C・クラーク 酒井昭伸 訳
 
 
遙か未来、銀河帝国の崩壊によって地球に帰還することを余儀なくされた人類は、誕生・死さえも完全管理する驚異の都市ダイアスパーを建造、安住の地と定めた。住民は都市の外に出ることを極度に恐れていたが、ただひとりアルヴィンだけは、未知の世界への憧れを抱きつづけていた。そして、ついに彼が都市の外へ、真実を求める扉を開いたとき、世界は……。 
 
 
☆*:.°. .°.:*☆☆*:.°. .°.:*☆☆*:.°. .°.:*☆
 
 
 
 
☆*:.°. .°.:*☆☆*:.°. .°.:*☆☆*:.°. .°.:*☆
 
 
「都市と星」です(・∀・)
 
 
こちらは前回紹介した「銀河帝国の崩壊」のリメイクverです。こちらで書ききれなかったところが本書では余すところなく、書かれています。
 
 
この時、わたしは「2つを読み比べて見る」と言いました。結論からざっくり言うとわたしは本書の方が好きです。
本書の方がケドロンやアリストラ、ヒルヴァーらの視点が書かれていて興味深いからです。アリストラは「銀河帝国の崩壊」では全く登場していませんので。それに最初仮想現実ゲーム「サーガ」を持ち出すことでアルヴィンがどれだけダイアスパーの定型からはみ出した、特異な存在であるかを際立たせています。
 
 
本書と「銀河帝国の崩壊」崩壊から始まる邂逅と再生の物語です。銀河帝国が崩壊し、ダイアスパーとリスはあまりにもあまりにも長い間袂を分かっていましたが、10億年後、ぎこちないながらも出逢って再び一緒に歩く話です。
 
 
ダイアスパーはあまりにも色々なことをデータ管理しています。誕生も死もデータ管理……データ管理をするメモリーバンクにかかれば両方手の中で、次の生も命もデータのサイクルで決まる……こんな転生輪廻は嫌だorz 使い古し(セカンドハンド)とは言わないけど、今の人生が嫌だったら未来の人生に逃げる……って発想にゾッとします。
……なるほど、つまりコンピューターは、人はもちろんのこと世界の0から10までを仕切るようになったら10億年後にはこうなるのか← ……ってこれ、本当に今から60年前に書かれた小説か!? 先見の深さに恐ろしいぐらいだ!
 
 
あまりにも両極端なダイアスパーとリスは出会う前は出逢ったことで停滞したユートピアを脱し、その向こう側の道を拓きました。ダイアスパーとリスーーー「都市」は再び「星」を知り、未来ーーー宇宙へ飛び出す活力を得たのです。先に進むのは10億年前も後も変わらない人間の宿命であり、クラークなりの「人類は何処へ向かうのか」の答えがある気がします。
 
 
「都市と星」でした(・∀・)/
次はジュナ〜! ……って言いたいところですが、注文していなくて手元にないため、別作家の時代ミステリを読みます。この作家の作品、読みたかったんです(*^o^*)/~