ジョン・ディクスン・カー No.52◇月明かりの闇◇ | 星よりも大きく、星よりも多くの本を収納する本棚

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「月明かりの闇」の中に真実がある! フェル博士、最後の事件!

 
 
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◇月明かりの闇◇ -Dark of the Moon-
ジョン・ディクスン・カー 田口俊樹 訳
 
 
アメリカ南部の島ジェイムズ島にあるメイナード邸で、不可解な”事件”が頻発する。何者かに案山子が盗まれたり、武器室の斧が消えるという。さらに主人メイナードの言動も理解しがたかった。そうしたなかで殺人が起こる。鈍器で頭部を殴られたようだった。しかも殺人現場には、被害者以外の足跡がなかった。
メイナード邸に客として招待されていたギデオン・フェル博士は、そこで最後の謎に挑むことになる。足跡のない殺人と限定された容疑者、百年前の惨劇と伝説、そして意外な真実とその動機。
名探偵フェル博士の最後を飾る、長編本格ミステリ。
 
 
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出来事も奇妙だが、その当事者の行動も解せない。
 
 
フェル博士とアランはジェイムズ島に住むメイナード邸に招待される。メイナード邸では最近案山子が盗まれたり、当主のヘンリーが不可解な行動を取るなどおかしなことが頻発していたのだ。
 
 
不可解な出来事による緊張感は頂点に達し、ついに殺人が発生した。ヘンリーが殺されたのだ。しかしヘンリーの周りには他の誰の足跡はない……
 
 
100年前の伝説が再現されたのか? そして伝説をもじってN・Sという謎の人物が黒板にメッセージを書き残す。焦点はどうやらヘンリーの娘マッジの隠れた愛人にあるようだ……
 
 
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「月明かりの闇」です(・∀・)
 
 
フェル博士最後の事件です。
といっても最後の匂いは全然しませんが←
やっぱり晩年になってアメリカに戻ったことと、世界大戦が終わって英国が激変したことが原因なのかなぁ。古き良き英国の中を生きたフェル博士にはもう合わないとカーは察してしまったのかもしれません。
 
 
本書の事件は足跡ない殺人です。「白い僧院の殺人」「テニスコートの殺人」と一緒ですね。
ぶっちゃけた話、それよりも「マッジの隠れた愛人が誰か?」 の謎の方が面白いです。
 
 
というか、その謎が全てをひっくり返します。
事実がそうだとなると事件の動機も何もかも変わってしまうわけでこういうのは大変面白い。
あと謎のメッセンジャー。そこまでお節介するなら直接言いに来いやーって感じですが、直接言う……というか口にできない理由も真相を聞けば納得できます。
 
 
やっぱり興味深いのは人間です。
 
 
「月明かりの闇」でした(・∀・)/
最後臭は全然しませんが、フェル博士はこれにして退場。ビール大好きなサンタみたいなおじいちゃん、御元気で!
次回は新・銀河帝国興亡史でなんとこちらも最終回です(*^o^*)/~