与謝野晶子◇みだれ髪◇ | 星よりも大きく、星よりも多くの本を収納する本棚

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9年間の海外古典ミステリ読破に終止符を打ちました。

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恋よ、歌え! 明治時代からの赤裸々の恋の歌!

 
 
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◇みだれ髪◇
与謝野晶子
 
 
「やは肌のあつき血汐にふれも見でさびしからずや道を説く君」――それはまさしく一大センセーションだった。恋をすることさえ罪だった時代に、女性の官能をおおらかに謳いあげ、青春の情熱をみずみずしくほとばしらせた衝撃の歌集『みだれ髪』。そして、巴里へと旅立った夫を想う世紀の“エンキョリレンアイ”を、円熟の筆で歌った『夏より秋へ』(抄)。二つの恋の歌集に、「君死にたまふことなかれ」「山の動く日」の詩二篇を併録。(エッセイ・小手鞠るい)
 
 
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「文豪ストレイドッグス制覇計画」2巻編を締めくくりますは、敦くんたち武装探偵社側の心強く、恐れられている!? 頼れる医者「与謝野晶子」です(・∀・)
 
 
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こちらが「文豪ストレイドッグス」上の「与謝野晶子」です。かっこよくて、美人です。みんなからは「与謝野先生」と呼ばれています。
 
 
他にいい画はないのかよとも思いましたが、異能を使っているシーンは激怖←だったので、怒りながらも自らの信念を口にするこちらのシーンをあげました。
 
 
彼女の異能は【君死給勿】。君死に給うこと勿れ。効果は【あらゆる外傷を治す】で、お医者さんらしい異能とも言えます。……が、万能ではないもので【ただし瀕死の重傷ではないと治せない】というハンデがあります。つまり軽傷程度ならまず鉈で解体して半殺し状態にしなくてはならず、治療を受ける人は可哀想かな、嬉々迫る与謝野先生による鉈での解体を受けることになります。社員はみーんなこれを恐れています。ちなみにこの戦いで対戦したマッドサイエンティスト、梶井さんはこの画の後、鉈の洗礼を受けることになりました。合掌←
 
 
鉈なしで異能を使ったのは2巻の【檸檬爆弾】を食らった時と10巻ですね。瀕死を通り越して死亡レベルだ←
 
 
与謝野先生はみんなの先輩格で乱歩さんにだけ敬語を使っています。乱歩さんが先生を探偵社に誘ったそうなので先生は何か事件に巻き込まれ、乱歩さんとは探偵と容疑者として出会ったのかもしれません。
 
 
話を戻して戻して。異能【君死給勿】はみんな知っているあの歌、「君死にたもうこと勿れ」が元ネタ。本書はそれに代表作の「みだれ髪」も収録されています。なんてお買い得!
 
 
史実の与謝野晶子は夫の与謝野鉄幹と共に歌人として活躍し、晩年には源氏物語の現代語訳も手がけました。今でも書店で売っていますね。
 
 
というかこれ読んで初めて知りましたが、鉄幹との恋って最初不倫だったんですね! 鉄幹の奥さんが実家に帰ったのを機に大阪の実家飛び出して鉄幹のいる東京に駆け落ちなんてここからして明治時代の典型的女性の殻を跡形もなく破壊しています。
 
 
「みだれ髪」はそんな鉄幹との大阪⇄東京間の遠距離恋愛を和歌で詠んだもので一首一首、詠んでいてこっちが「キャー(///∇//)」と赤面しそうなほど赤裸々に歌っています。
というかよく考えれば普段きちんと結い上げている髪が乱れるシーンはたった1シーンしかないわけで、もはや題名からして恥ずかしい。そして官能的だ!
 
 
「明星」の廃刊や弟子の離脱等々、いろいろなことがありすぎてぶっ壊れ寸前だった鉄幹。晶子は鉄幹のために金を工面して欧米に遊学させました。そんな「夏より秋へ」は今度は欧米⇄日本間の遠距離恋愛を歌ったものです。
……が、鉄幹に日々情熱的な恋をしている晶子はだんだんだんだん寂しくなり、ついに自分も欧米へ! 
 
 
なにこれ、超行動的。そしてかっこいい!
当時は飛行機なんぞ普及していないわけで行くだけでとんでもない時間とお金がかかったはず。凄すぎる。よくそんなお金あったな……それに子どもどーした←
まぁ、かっこいいのは言動だけで、歌っていることは「恋してルンルン♫」なのですが!
 
 
本記事の本題「君死にたまふことなかれ」は日露戦争に出征する弟を思って歌ったものです。読む限り、反戦歌と言うよりはひたすら弟の無事を祈り、「死なないでくれ」と哀願する歌です。与謝野先生メイン回になった章題「人を殺して死ねとて」の一節が鋭く心に突き刺さります。
 
 
「山の動く日」は平塚らいてうが発刊した「青鞜」に載せられたものです。彼女も女性の権利獲得のために活躍しました。男尊女卑を嫌うところは与謝野先生にも現れています。
 
 
「みだれ髪」でした(・∀・)/ これにて「文豪ストレイドッグス制覇計画」2巻編が完結しました。3巻編はしばらくお待ちください。小粒でもピリリと辛い!? あの人です!
 
 
推理小説の方はフェル博士と最後の挨拶……と言いたいところですが、注文してまだ来ないので別のものを読みます(*^o^*)/~