アイザック・アシモフ No.49.5◇ファウンデーションの誕生・下◇ | 星よりも大きく、星よりも多くの本を収納する本棚

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9年間の海外古典ミステリ読破に終止符を打ちました。

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かくしてファウンデーションは誕生した! 喪失を乗り越え、心理歴史学を完成させるセルダン博士!

 
 
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◇ファウンデーションの誕生・下◇ -Forward the Foundation-
アイザック・アシモフ 岡部宏之 訳
 
 
銀河帝国の未来のため、奮闘する心理歴史学者セルダンをさらなる事件が襲う。凡庸ではあるが平和主義者で、セルダンに好意的な皇帝クレオン一世の暗殺計画がひそかに企まれていたのだ。皇帝が暗殺されれば銀河帝国の衰亡はいちだんと加速することはまちがいない。セルダンはなんとかその陰謀を防ごうとするが……銀河帝国を救うべくファウンデーション創立に人生を賭けたセルダンの活躍を描く、巨匠アシモフ最後の長篇。
 
 
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きっかけは誕生日祝いと夢だった。
60歳の誕生日を迎えるハリはレイチの娘ウォンダが悪夢を見たという話を聞く。ハリたちは最初気に留めなかったが、見た夢が死のことを話す2人組のことなのが、琴線に引っかかる。
 
 
果たしてその夢は現実で危機になった。先回りしていたドースがその危機を打破するが、その代償はあまりにも重く、ドースは永遠に姿を消した。
 
 
それから10年後。帝国の衰廃はもはや明確になり、心理歴史学はどんどん現実味を帯びてくる。それに市民は恐怖し、ハリは命を狙われるようになる。
 
 
デマーゼル、皇帝クレオン、ドース、アマリル、レイチ……あらゆる人を見送ったハリを助けたのはウォンダと若きボディーガード、パルヴァー。
ウォンダの潜在能力に気づいたその時、ファウンデーションは誕生した!!
 
 
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「ファウンデーションの誕生・下」です(・∀・)
 
 
これほどまでに骨太な最終巻を迎えた作品があっただろうか?
 
 
危機から生まれる喪失、喪失に比例する孤独、孤独に共鳴する恐怖と嫌悪。恐怖と嫌悪をも打ち破る一欠片。それらすべてに圧倒されます。
 
 
ドースに関しては「彼女は……いや彼女もしかして?」と思っていました。ドースの特徴がわたしたちがよく知る彼と似ていたから。彼女のその頑固さーーー融通のきかないところはそれの定義でもあったから。
でもやっぱり悲しい! 頑固なところも融通のきかないところもハリのために必要なことだったから! ドース、その2つの点から貴女はとっても人間的だったよ。 
 
 
レイチがいなくなったその瞬間、泣きそうになりました。味方がどんどんどんどんいなくなってしまうその姿はダニールとダブりました。ハリはダニールと似たところがあります。
 
 
ファウンデーションの骨格が出来上がり、それを実現したところで、ハリは波瀾万丈の人生を閉じます。エピローグは時間軸から見ると1巻の追放後なのでこれを読んで1巻を読むと伏線回収ができると思います。
 
 
ーーーですが! ファウンデーションは終わらない!
アシモフ作のファウンデーションシリーズは本書で幕を閉じますが、別作家がファウンデーションシリーズの続編を書きました。時間軸は分かりませんが、その上下巻6冊を読んでファウンデーションのその姿を見届けましょう!
 
 
「ファウンデーションの誕生・下」でした(*^o^*)/~
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
「………ーーー!!!!」 
読み終わってしまった。
アシモフ、全部読んじゃったよ!!
 
 
「黒後家蜘蛛の会」から始まって1年2ヶ月。最初は「SFなんて分からないよ!」と思っていたのに!
今やそんなことをほざいた過去の自分をぶん殴りたくなるまでになりました。
 
 
確かにものすごく難解だった。
ロボットのことも機械のことも、分子とか原子とか分からないことの方が多くて最初はとても苦痛だった。でも! それでも! 1冊1冊読むごとに宇宙や未来やロボットに引き込まれるわたしがいた!
 
 
そしてファウンデーションを到達点にしたアシモフ作品での歴史構成!
他作品と他作品を時間的にリンクさせたその伏線に身震いものでした。
 
 
アシモフ先生、わたしは貴方から見たら本当に不出来な生徒だったと思うけど話は毎回毎回楽しかったよ、マエストロ!
 
 
ヘンリー、黒後家蜘蛛の会、キャルヴィン博士、イライジャ、ダニール、ジスカルド、マルレイネ、ハーラン、トレヴィズ、ペロラット、ブリス、ハリ、ドース、レイチ、アマリル、ウォンダ!! アシモフ作品のみーんな、みーんな、大好きだ!!
 
 
会えてよかった!!
 
 
 
 
 
ーーーアイザック・アシモフ著、小説読破達成。
2016年、9月25日。