ジョン・ディクスン・カー No.45◇ハイチムニー荘の醜聞◇ | 星よりも大きく、星よりも多くの本を収納する本棚

星よりも大きく、星よりも多くの本を収納する本棚

9年間の海外古典ミステリ読破に終止符を打ちました。

これからは国内外の多々ジャンルに飛び込みます。




TwitterもといX: 「https://twitter.com/KYoCaTHouWoR
エブリスタ: https://estar.jp/users/153193524

「ハイチムニー荘の醜聞」は殺人の火蓋を落とす! 死刑囚の忘れ形見は一体誰?

 
 
{C3A66A72-617F-42B8-A920-51D0B8DFF963}

 
◇ハイチムニーの醜聞◇ -Scandal at High Chimneys-
ジョン・ディクスン・カー 真野明裕 訳
 
 
二人を早く結婚させるように父を説得してほしい─友人の奇妙な依頼を受けて、ハイチムニー荘を訪れた作家クライブは、そこで驚くべき話を聞かされた。友人の父親マシューから、三人の子供の中に、昔自ら死刑に追い込んだ殺人犯の忘れ形見がいると打ち明けられたのだ。驚いたクライヴがその名を尋ねた時、銃声が轟き、弾丸がマシューの頭を貫いた。邸内で大胆不敵な殺人をやってのけた人物は、復讐に燃える死刑囚の遺児だったのか?
絢爛たるヴィクトリア朝の英国に実在した名警部ウィッチャーが登場する第一級の時代ミステリ! 改訳決定版
 
 
☆*:.°. .°.:*☆☆*:.°. .°.:*☆☆*:.°. .°.:*☆       
 
 
デイマン家には1人の息子ヴィクターと2人の娘シーリアとケイトがいる。しかし父のマシューは娘たち2人をなかなか結婚させようとしない。
 
 
困ったヴィクターは友人クライヴにシーリアに結婚申し込みをして欲しい、父を説得して欲しいと頼む。その夜酔いつぶれたヴィクターを送ったクライヴはケイトの絵姿を見て惹かれていく。
 
 
クライヴはハイチムニー荘に赴く。そこでマシューから聞かされたのは彼の子どもたちの中に昔、絞首刑に追い込んだ女囚の忘れ形見がいると言うのだ。その忘れ形見は母親と同じ悪い血を引いているとも……
 
 
マシューがその忘れ形見の名前を言おうとした途端、弾丸がマシューの命を奪った! 
「あんたなら凶悪な人殺しの娘と結婚する気になりますか?」死刑囚の忘れ形見はシーリアとクライヴが惹かれたケイトのどちらなのか……?
 
 
☆*:.°. .°.:*☆☆*:.°. .°.:*☆☆*:.°. .°.:*☆       
 
 
「ハイチムニー荘の醜聞」です(・∀・)
 
 
カーター・ディクスンも含め7作めの歴史ミステリーです。いやはや慣れましたね←
 
 
この話はひたすら「誰が死刑囚の子どもなのか?」でできています。大事なのはそこです。ひたすらそこ。
 
 
……となると容疑者は自然に決まるわけですが……ヤバい、下手に感想が書けない……!
下手に書くと犯人が分かっちゃいそうです。一言で言うなら「紛らわしい!!」ですかね。あらゆる面で。
 
 
本書は19世紀中期のロンドンを騒がせた子どもの殺人鬼コンスタンス・ケント事件がたびたび言及されます。ケイトの男装、乳母の存在感、継母継子関係等、共通点が多くありますが、1番はコンスタンス・ケント事件を担当した実在の警察官ウィッチャーが登場することです。
 
 
本書ではウィッチャーはコンスタンス・ケント事件をしくじって警察官を辞職し、探偵と書かれています。いやー、なんで修道院に行ってから告白したんでしょうか……キリストに仕えて罪の意識を感じたとか?
 
 
フィクションにおいては実在の人物を主人公にする時は事実の部分をフィクションにどう混ぜるかとその技術が問われます。うーん、ヴィクトリア王朝の匂いはあまり感じないのですが←ウィッチャーは「へー、こういう人なんだ」と思いました。コンスタンス・ケント事件を調べると面白いと思います。
 
 
「ハイチムニー荘の醜聞」でした(・∀・)/
次はファンデーションシリーズ、第3巻です(*^o^*)/~