ジョン・ディクスン・カー No.39◇シャーロック・ホームズの功績◇ | 星よりも大きく、星よりも多くの本を収納する本棚

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今こそ表に出なかった「シャーロック・ホームズの功績」を讃えよう! 新シャーロック・ホームズの冒険!

 
 
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◇シャーロック・ホームズの功績◇ -The Exploits of Sherlock Holmes-
アドリアン・コナン・ドイル&ジョン・ディクスン・カー 大久保康雄 訳
 
 
霧深き11月のある日、ベイカー街の221Bを訪れた娘はシリアと名乗った。旅行先で知り合い、好感を抱いた男性の奇妙な振舞いの謎を解いてほしいという依頼だった。チャールズというその男は、人品いやしからぬ、魅力的な人物だったが、なんの意味なのか、時計を見るにつけ逆上し、それを滅茶苦茶に壊してしまうのだった。それが何度か続き、そのあげく行方をくらましてしまったという。途方にくれたシリアは、ホームズの名声を頼ってやってきたのだった。依頼を引き受けたホームズもまた、行先を告げずに姿を消した!
4つの長篇と、56の短篇をもって〈聖典〉をなすシャーロック・ホームズ物語。しかし、その魅力ににとりつかれ、すべてを読み尽くした読者の数は知れない。その切望の声に応えてコナン・ドイルの実子アドリアン、本格探偵小説の巨匠で、屈指のドイル研究家でもあるジョン・ディクスン・カーが、’語られざる事件’12話を見事に再現した。シャーロキアン必読の、贋作ホームズ決定版!
 
 
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【アドリアン・コナン・ドイル&ジョン・ディクスン・カー】
 
 
1.七つの時計の事件 
   (The Adventure of the Seven Clocks)
   ……シリアは旅行先でチャールズという魅力的な青年に出逢ったが、彼は突然時計を壊すなど異常な憎悪を持っていた。シリアはホームズに依頼し、驚きの正体が明かされる!
 
 
2.金時計(ゴールド・ハンター)の事件
   (The Adventure of the Gold Hunter)
   ……ホームズのところに牧師がやってきた。ある老人が死んだが、自然死ではないのは明らかなのに死因が分からないと言う。鍵を握るのは被害者の金時計?
 
 
3.蝋人形賭博師の事件
   (The Adventure of the Wax Gamblers)
   ……蝋人形が夜な夜なカード遊びをしている? 誰かがカードをいじっている? 珍味な依頼の末に明かされた驚きの陰謀!
 
 
4.ハイゲイトの奇蹟事件
   (The Adventure of the Highgate Miracle)
   ……ホームズのところに妙な電報が届いた。1つの傘をあまりに大事にする男の秘密と26個のダイヤモンドの盗難。これらはどう繋がるのだろうか?
 
 
5.色の浅黒い男爵の事件
   (The Adventure of the Black Baronet)
   ……休養中のホームズのところにお馴染みグレグソンがやってきた。事件現場から遠くない場所でホームズが静養していると聞いて助っ人をお願いしたのだ。その屋敷に伝わるカップ"ラヴィントンの幸運"の秘密とは?
 
 
6.密閉された部屋の事件 
  (The Adventure of the Sealed Room)
  ……ワトスンのところに患者ーーーそれも妻の友人コーラが尋常ではない様子でやってきた。一緒に住んでいるウォーバートン大佐夫妻が死傷したのだ。しかし事態ははっきりとしており……?
 
 
【アドリアン・コナン・ドイル】
 
 
7.ファウルクス・ラス館の事件 
  (The Adventure of Foulkes Rath)
  ……ファウルクス・ラス館で当主が殺されるという惨劇が起こった。殺されたアドルトン大佐はダイイング・メッセージを遺しており、犯人は明らかのように見えたが……
 
 
8.アバス・ルビーの事件
  (The Adventure of the Abbas Ruby)
  ……ホームズのところに駆け込むようにーーーというより逃げるように男がやって来た。彼ーーージョリフは主人サー・ジョン・ドヴァートン秘宝のルビー窃盗容疑をかけられ、追われる身だった。
 
 
9.黒衣の天使の事件 
  (The Adventure of the Dark Angels)
  ……人嫌いの偏屈な男の元に黒衣の天使の張り紙が。黒衣の天使とそばの数字は何を指すのか? 依頼人ダフネの父親は何に怯えているのか?
 
 
10.二人の女性の事件
  (The Adventure of the Two Women)
  ……ここに2人の女がいる。1人は邪な欲求を以って英国の由緒ある家柄を破滅させようと企んでいる狡猾な女。もう1人はその女の欲求のために自分と娘のために苦しんでいる優雅な女。ホームズは名誉を守るべく行動に出た!
 
 
11.デフトフォードの恐怖の事件 
  (The Adventure of the Deptford Horror)
  ……ワトスンが気晴らしがてらにホームズを誘ったレストランでレストレード警部に出くわした。そこでデフトフォードという場所で起こった奇妙な出来事の話を聞く……
 
 
12.赤い寡婦の事件 
  (The Adventure of the Red Widow)
  ……ホームズの所にやってきたグレグソンは間髪入れずにホームズを事件の渦中に引き込んだ。ダービシャーの名門の家柄の歴史に事件を解く鍵がある?
 
 
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「シャーロック・ホームズの功績」です(・∀・)
 
 
コナン・ドイルとシャーロック・ホームズを子どもの時に読んで人生が変わった作家は多いと思います。例に漏れず、カーもその1人。
 
 
皆さんもご存知かと思いますが、ホームズものは4つの長編、56の短編で成っています。ところが読んでみると2人が携わった事件数は60以上であることに気がつきます。
つまり事件の名称や関係者の名前は出ているのに詳細が書かれずにそのまま。な事件の記述があるのです。クイーンが意識した「ソア橋の難問」もその1つです。
 
 
コナン・ドイルも作家ですから言及しておいてそのまま放置、ということはせず、創作メモを遺したらしいのです。その断片的なメモを頼りにカー先生とコナン・ドイルの息子アドリアンが協力してその語られなかった事件を再現したのが本書です。
 
 
いや、レベル高い。そのままオリジナルかと思ったわ!!
読んでいてディック・フランシスの競馬シリーズを思い出しました。あれも途中から父と息子のコンビで書き、父親が亡くなった今は息子オンリーで続いていますよね。
 
 
これも原典(聖典)に加えていいんじゃないの!? と思ったけど創作メモはあったものの本当にそのネタが書きたかったのか今や分からないものなぁ……というか書くつもりがあったか否かもわからないしこれは贋作ホームズとして楽しんだ方がいいのかなぁ……でも偽物というには中身が素晴らし過ぎる。だってホームズの頭脳明晰もワトスンの記述の正確さも面白さもそのままだもの。
 
 
息子のアドリアンは父親譲りで作家の才能に恵まれていました。パパは複雑だろうけどホームズを愛する2人の作家によって新しいホームズの冒険が読むことができたのは大きな喜びでした。ホームズとワトスンに対する2人の愛は12のラストによく表れていると思います。
 
 
「シャーロック・ホームズの功績」でした(・∀・)/
次は「文豪ストレイドッグス制覇計画」第3弾、国木田独歩の「武蔵野」です(*^o^*)/~