カーター・ディクスン No.11◇かくして殺人へ◇ | 星よりも大きく、星よりも多くの本を収納する本棚

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事態は「かくして殺人へ」導く。

H.M卿、映画界という魔窟に立ち向かう!
 
 
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◇かくして殺人へ◇ -And So to Murder-
カーター・ディクスン 白須清美 訳
 
 
映画の撮影所という〈魔界〉を舞台にした本格派の挑戦的ミステリ。ヘンリー・メリヴェール卿登場!登場人物たちが、作品世界の中で実に生気に満ちて、呼吸している。プロデューサーも監督も脚本家も俳優も皆、特異な人間であるが、カーの筆致にかかるとそのラディカルなまでの作風に見事にマッチし、その異界におけるリアリズムを成立させているのだ。
 
 
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映画界は、魔窟。
 
 
ベストセラー作品「欲望」の原作者モニカはこれの映画化にあたり、アルビオン映画社のスタジオに赴くが、彼女の仕事はなんと「欲望」の脚本執筆ではなく、ウィリアム・カートライトの「かくして殺人へ」の脚本執筆だった。
 
 
モニカの家族はカートライトを悪く言っていてもともと印象は良くなかったのにカートライト本人がモニカの面前で「欲望」を酷評したばかりにさらに悪化。かくして初対面は最悪。カートライトは非礼を詫びたり、親切だが、モニカは嫌悪感を隠せない。
 
 
一方、カートライトは水差しに硫酸が入っていたことを耳にした。嫌な予感を覚える。その予感は当たり、モニカが通話管から流れる硫酸で大怪我を負いそうになったのだ。
 
 
これをきっかけにモニカは次々と命を狙われる。フィルムが盗まれる事態も発生し、腹を据え兼ねたカートライトは旧知のマスターズに会いに行くがーーー
 
 
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「かくして殺人へ」です(・∀・)
 
 
映画界のお話です。
映画界というとハリウッドとロサンゼルスを思い浮かべますが、ここでは英国です。ミュージカルや演劇の方がより英国らしいですが。
 
 
まず一言。
初対面最悪からの恋愛フラグが立ちました━━━(゚∀゚)━━━!!!
 
 
はい、これはお約束! 最悪な出逢いからゆえの遠慮のない会話、さらに事件勃発からの行動を共にする→意外な側面を見る→ドキドキ……は立派な恋愛フラグです、はい!
 
 
「嫌な奴だと思ったら実はいい人だった」ってな展開は「高慢と偏見」からのお約束なんですよ、きっと!←何か違うよーな
 
 
なので本作に限り、真に主役はH.M卿ではないんですよね。
男女2人の前に真実を伝えるラスボスというか←
 
 
というか今回のH.M卿は大人しいです(笑)
次回は何かやらかしてくれると大変嬉しいです(「たわけ!」と怒鳴られそうですが)。
 
 
さて、題名。推理小説ですから殺人の2文字は動機ときっかけにお金問題が避けられないように、推理小説なら当たり前のようについてきます。
カー作品を読みに読みまくっている中、本書を読むととあることに気がつきます。
それに気づいた時、題名の意味が分かることでしょう!
 
ちなみにフィルムの行方は…………ここでは書かないことにしますここで言うと楽しみがry……
 
 
「かくして殺人へ」でした(・∀・)/
次回は再びヘンリーと黒後家蜘蛛の会(*^o^*)/~…………と! その前に!
 
 
「クロッペンハイマーさん、準備はいいですかー!? ……ってつまみ食いするな! このシーンが終わったら夕ご飯だから! 我慢して! そこの若い2人、くっつくな! で、エラリー、いつまで笑ってるの! 友達なら止めろ! ーーー静かに! カメラ回しまーす!
原作エラリー・クイーン、脚本J・J・マック、出演エラリー・クイーン、国名シリーズプラスワン『中途の家』、シーンNo.1、3、2、1! アクション!」(カチンコ!)