テーブルの上の「孔雀の羽根」模様のテーブル掛に乗った10客のティーカップは死者を冥界に導く扉だったのかーーー
H.M卿、事件解決のため、32の手がかりを提示する!
◇孔雀の羽根◇ -The Peacock Feather Murders-
カーター・ディクスン 厚木淳 訳
二年前と同じ予告状を受け、警察はその空家を厳重に監視していた。そこい響いた二発の銃声。踏み込んだ刑事が見たものは、背後から射殺された男の死体。そして、孔雀模様のテーブル掛けと十客のティーカップ。なにもかもが二年前の事件を思い出させた。そのうえ、現場に出入りした者は、被害者以外にいないのだ。この怪事件を、H・M卿は三十二の手掛かりを指摘して推理する!
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招待状は過去の事件を呼び起こす。
とある住所に10客のティーカップが出現するという、冗談まがいな手紙がスコットランドヤードに舞い込んだ。
しかしマスターズ警部はそう思わなかった。過去にも10客のティーカップは事件の小道具にして、主軸として登場したのだ。しかもその事件は2年経った今も未解決だったのだ。
H.M卿の助言でマスターズ警部はポラードは件の住所に向かう。そこにいたのはヴァンス・キーティングという冒険好きの金持ちで、誰かを待っている様子だった。
ティーカップが出現する午後5時。予告は本当だった。ティーカップは孔雀の羽根模様のテーブル掛の上に並べられ、傍にはキーティングの射殺体が。しかしそこから出た者は誰もいない……
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「孔雀の羽根」です(・∀・)
だんだん、H.M卿のペースにも慣れてきました。殺人事件さえ付いて来なければ知り合いになりたいです←無理。
さて、今回も作者の十八番、密室物です。
密室殺人はある意味不可能犯罪なので、さすが不可能犯罪の巨匠と謳われたカーター・ディクスンもといジョン・ディクスン・カーにふさわしい題材です。
しかし今回は不気味な言い伝えがあるわけでもないし、舞台が不気味でもない、正統派です。
中盤、ちょっとスパイスリラーの香りが漂いますが、正統派です。
事件は難解であればあるほど面白いし、「もろにオカルトなのがちょっと……」な人にもオススメです。あと、密室が好きな人にも。
この作品は32の手がかりがある! と公言してます。なんか挑戦されているみたいです。
もろ、エラリー・クイーンみたいだ!
そういう点ではフェアですね。わたしはもちろん、分かりませんでしたが! ←いばるな。
真相はいつものごとく、唸らされます。
ただ、もう一度読み返さないと本当に分かったと言えませんが……
というか盲点だらけですよ!
「孔雀の羽根」でした(・∀・)/
次回のH.M卿は「ユダの窓」でして、本当はそれをすぐに読むつもりでしたが、今年、新訳が出ると聞いたので「ユダの窓」は見送ります。
よって、H.M卿とはしばしお別れです。
かわりにギデオン・フェル博士が登場です!
では「帽子収集狂事件」を読んで、「魔女の隠れ家」以来のギデオン・フェル博士を思い出しましょう(*^o^*)/~