幼いながらもお互いを想った、大事な恋だったのに……
◇野菊の墓◇
伊藤左千夫
十五歳の政夫と二つ年上の従姉民子との間に芽ばえた幼い清純な恋は、世間体を気にする大人たちのために隔てられ、少年は町の中学に行き、少女は心ならずも他に嫁いで間もなく病死してしまう。
江戸川の矢切の渡し付近の静かな田園を舞台に、純真、可憐な恋物語として多くの読者の共感をさそい続ける『野菊の墓』、その原形とも考えられる『守の家』、心理小説風な『浜菊』、他に『姪子』を収める。
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1.野菊の墓
2.浜菊
3.姪子
4.守の家
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月組公演
昭和58年(1983年)9月23日〜10月3日
バウ・ロマン
『野菊の墓』2幕
ー伊藤左千夫原作『野菊の墓』よりー
酒井澄夫 脚本・演出
矢切の渡し近くの旧家斉藤家の次男、政夫(郷真由加)は15才。幼い頃から共に育ってきた2つ年上の従姉民子(春風ひとみ)と仲が良かったが、大人のあらぬ噂に2人は引き裂かれる。政夫は千葉の中学校にやられ、無理やり嫁に行かされた民子は体をこわして亡くなってしまう。政夫は民子の墓に参り、野菊を植えて弔うのだった。明治末期の千葉の農村を舞台に、純粋な若者の悲しい恋物語が描かれた作品。
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「野菊の墓」です(・∀・)
映画にもなり、日本近代文学では1.2を争う恋愛物語として知られていますね。宝塚でやらない訳がない。でもこの話、100ページにも満たない短編だし登場人物も多く無いし、どう保たせたのか←
というか、最初に伊藤左千夫を知ったのが本書だったので歌人だということ、最近まで知りませんでしたすみません。むしろそっちの方が本業だし「馬酔木」の創立者やん、茂吉の師匠やん←
何も知らない子どもだから、大人の言うことを聞くしか無かった、それ故に別れてしまった幼い恋人たちが悲しい。
子どもというのは危うい存在ですが、とても純な存在です。自分はあまりそういう風には思いませんが政夫と民子は大人なら誰もが持ち得る損得、合理性、世間体など何も知らず、ただお互いが隣にいるのが心地良いからそばに居た。ひたすらそれだけだったのに……更に大人がひたすら後悔するところも悲しい。悪人など1人もおらず、居るのはただ間違えてしまった善人だけ。
2は大人が主人公の、多分誰もが体験したことのある「かつては友達でも環境が変わればただの闖入者」な気持ちを如実に表しています。生々しいわ……
4は「野菊の墓」の原型だと言われています。
「野菊の墓」でした(・∀・)/
話題沸騰! 超壮大な中国SF登場!!(*^o^*)/