「たべもの」としてじゃなく、「皮製品」としてじゃなく、
「どうぶつ」として、身近に感じてもらいたい。


こないだの連休に、牧場へ行ってきました。
この本を読み終わって(読んでる間中)、どうしてもどうしても、
豚や牛や羊や山羊やカモなどの水鳥たちに会いに行きたくなって。

                  (内容については次回紹介させてください)


電車とバスに揺られ、降りたとこから牧場に向かう道中(ほんの数分)、
個人経営農家の牛舎がありました。




近づくと、みんな一斉にこっちを見ます。
彼らは近いうちに「肉」になるコたちです。
牛舎前の同じ敷地内には、焼肉屋。
彼らの運命を知っていても、私は彼らを救うことができません。


牧場は、大きく広々としていて、
たくさんの家族連れやカップルなどで賑わっていました。

地球環境のことも考えられ、太陽エネルギーなどが使われています。

そこはとても感心させられました。
毎週休日には、たくさんのイベントが行われています。
今日13時からは、「ヤギ&ミニブタショー」。
これまで豚を実際にこの目で見たことがない私は、
豚に会えることを一番の楽しみにしていました。

「羊の毛刈りショー」なんかもあります。

その他には、「牛乳早飲みペアレース」も。

人間を牧場に集めるために、どうぶつ達はこんな風にも利用されているんですね。


まずは、仔牛たちのいる、「育成牛舎」へ向かいます。

たくさんの仔牛たちが、気持ち程度に木屑が撒かれたコンクリートの床、
鉄柵の中で暮らしています。


みんな、お腹が不自然に大きいのは乳牛だからかな?

まるでお腹に赤ちゃんでもいるみたいに膨らんでいます。
お腹にテープを巻いてるのも何頭かいて、

この膨らみに関係あるのかと思いきや、
飼育係の方に聞いてみると「出ベソ」を治してるんだとか。



どのコも、すでに除角済でした。

わかりますかねぇ?

仔牛のカオを上から写してるんですが、画面左上のほうに目が見えます(まつげで隠れてる)。

右側にある、白くえぐれた部分が除角した跡です。

傷跡が生ナマしい。

きっと、麻酔はしてもらってないはず。

みんなそれぞれカオも違うし、まつ毛が長くて本当にかわいい。
周りのひとたちも、「かわいいねえ!」なんて喜んでました。

この人たちは、このコたちがこの後どうなるのかを知っているでしょうか。

「育成牛舎」の前には、こんなのが貼られていました。

生産農家で生まれた高資質の乳用雌仔牛(生後1ヶ月前後)を買い取り

約半年くらい育成して、もとの生産農家へ配布しております。

配布した仔牛は、その後北海道へ渡り

妊娠牛として戻り、出産して立派な乳牛になります」

人間が飲む牛乳と、いずれハンバーガーや安価なステーキになるために。


自然界では捕食どうぶつなので、

仔牛たちは近づくと本能的に警戒して離れてしまいます。
でも、じっと立っていると、興味を示して近づいてきました。
7月21日に生まれたNO.53247。

まだ2ヶ月の赤ちゃんです。


このコは小さくて、とても繊細そう。
目にも元気がありません。

でも、興味はあるみたいで近づいてくるんですが、

撫でようとするとすごい後ずさりします笑

怖がり屋さんです。
その隣には、同じく7月21日生まれのNO.53452。




このコは、体格もしっかりしてて元気が良さそうです。
同じ日に生まれたというのに、このコたちの体重差は8キロ!

このコを撫でてみました。
気持ちいいのか、じっとしています。

さすが、ウチのまっくろくろすけが毎日何度も「マッサージして~」と

催促しにくるほどのゴッドハンドの持ち主です。

ふいに、私の手を吸い始めました。
私の手を、お母さんのおっぱいだと思って。






本当は映像でお見せしたかったのですが、どうガンバってもアップできなくて。。。

私の手が半分くらい、このコの口の中に入っていて、

チュウチュウと大きな音を立てて吸い付いています。

そのチュッチュッという音を聞いて、他の仔牛もいそいそとやって来て、
柵から顔を出します。
隣の小さな仔牛は、私の服をなめ始めました。

みんな、このコがミルクを飲んでいると思って近づいてきてるんですね。


「おかあさん、お乳が出ないよ~!」
しばらくずーっと、必死で私の手をチューチュー吸い続けて、
なのにミルクが出ないことに苛立ったみたいなしぐさをします。

ミルクも出せないくせに、私はしばらく、このコの口から手を引き上げることが出来ませんでした。
胸がとても痛みます。

哺乳瓶からでも、ミルクを飲ませてあげたい。

だけど、できません。

本当にごめんね。
野生だったら、まだまだお母さんの側で守られながら、
お母さんのおっぱいからミルクを飲んでいたはずなのに。

そのお母さんのミルクは、この牧場ではアイスになったり、

「早飲みペアレース」でガブガブと人間に飲まれたりしているっていうのに。


成牛たちもいました。
乳牛と肉牛が混ざっています。

すごい肉体美です。

この牛たちが、野生の牛たちが暮らすような大自然の中にいるところを想像してみると、

畏敬の念さえ感じてしまいます。




彼らは1日1回、放牧されるようで、
工場型畜産に比べれば、まだ随分と快適な暮らしです。
でも、放牧されている場所はこんなに急斜面。

(実際は画像で見るよりすごい傾斜です)
だからなのか、こんな風に柵の近くで群れています。

これじゃ放牧になってない。



近くにいた人間の子どもが、ホルスタインを見て言いました。

「うわっ!おっぱいデカッ!・・・キモ~」

知らないとはいえ、なんて失礼なこと言うんだ!

どうぶつは何言ってもわからないと思ってるんだろうな。。。

言葉はわからなくても、感情は伝わるのに。

「品種改良を重ね、人間はホルスタインのおっぱいを限界まで大きくしました。

そのせいで牛達の多くはひどい関節炎などに悩まされます。

牛達はミルクを出してなんぼの価値なので、

休むまもなく妊娠と出産を繰り返します。

出産後は数時間で仔牛を奪われ、人間が飲む牛乳のための搾乳が始まります」

と、たて看板立てておきたい。


子どもを奪われた母牛は、子どもの事を忘れません。
産まれてすぐ母子を引き離すのは、
一緒にいた時間が長いほど母子の嘆きが大きいという理由があるそうです。
でも、すぐ引き離したからと言って、母牛や仔牛が平気なわけではありません。
母は仔牛を捜し続けるそうです。


残念ながら、ここで携帯の電池が切れてしまいました(;;)

牧場に行くというのに、デジカメを置いてきてしまったいい加減な自分。


羊や山羊の広場が牧場の真ん中にあります。
仔山羊はお母さんと一緒に過ごし、お母さんのミルクを飲んでいて、

この牧場の中で一番恵まれた場所のように思います。
人間は、おやつを買って、羊や山羊たちにあげています。

羊の中には、刈られたバリカンの跡が残るのもいました。

「羊の毛刈りショー」の被害者です。
犬や猫の「サマーカット」とは大きく違います。

でも、まだまだここの羊は恵まれてるぞと思いながら

このコたちの羊舎を覗くと、「毛・肉用」と説明書きが・・・・・・・・・


すぐ近くにミニブタがいました!
思った以上にデカいミニブタです!(大人のミニブタというべきでしょうか)
気持ち良さそうに、ぐっすりと昼寝をしています。
木の小屋で暮らしているようで、
世の恐ろしい工場型「養豚場」(種豚場)とは違い、少し安心しました。
「汚い・クサイ・醜い」とそしられる対象の豚。
でも、本当はキレイ好きで賢くて優しい豚。
「君たちは、この後どうなるんだい?もしかして、
外国のサンクチュアリみたいに、ここで天寿を全うできるのかい?」
そう思っていた矢先、すぐ隣の建物からなにやら匂ってきました。

匂いの元、それは「屋外バーベキューハウス」。


本当に驚きました。

あの~、ここに豚さんいるんですけど。

豚の鼻も、クンクンクンクン。
お肉が焼ける匂いは、嗅覚のするどい豚には、どんな風に匂うのでしょうか。
人間は、和気あいあいと、見学しただろう牛の(羊や豚をここでは食べていないかも)
肉を、美味しそうにほおばっています。
(と殺がこの牧場で行われているかはわかりません)
「さっき見ていたどうぶつを食べている」
という実感は、あるのでしょうか。


犬は他のどうぶつに比べて「表情筋」が発達してるらしいですね。

だから、笑っているのもわかります。

猫の場合、表情は犬に比べてわかりにくくても、

一緒に暮らすうちに、とてもたくさんの感情をもっていることも、

微妙な表情の変化もわかるようになりますよね。

同じどうぶつ(しかも脳はもっと大きい)である牛や豚などの

食べられるどうぶつにだけ、感情がないと思われるなんておかしな話です。


「どんな栄養があるか」「どこがおいしいか」ではなく、
「どんなどうぶつなのか」を、もっとたくさんの人に知ってもらいたい。
私の手を吸っていたあのこにも、
どうぶつとして、どうぶつらしく生きてもらいたい。。。


                          

poteさんのブログ では、
「お肉を食べたい人」が、「まるでお肉」を食べられる方法が
紹介されています。
お肉をやめたいなって考えておられる方は、ぜひ読んでみてください。