君はよほどお腹をすかせていたのでしょう


交通量の多い道
餌を求め必死だったのでしょう


抱え上げた君は
あまりに軽く
身体も顔もとてもきれいだったけど
君の苦労が…君の傷だらけの肉球から
あばらの浮いた身体から
伝わって


タオルに包み
箱におさめたけど 
何度も何度も
君が目をさましてくれるかも
かすかな声が聞こえるかも
そう思いルームライトをつけ 
確認したよ


君の身体があまりにも 
あまりにも痩せっぽちで

お腹いっぱいに食べることはあったのだろうかと
身体に似合わない大きな耳が
君の成長に栄養がともなわなかったことを
あらわしているようで
胸がしめつけられたよ


名もつけず旅立たせてしまいました


もしかしたら
もしかしたら
君を探している人がいるかもしれないから
ここには載せないけど写真だけはとりました 


いつもは絶対に通らない道で君と出逢った


疲れ果てた私を君が救ってくれたように思います


さようなら