何回目かに行った採血の後、職場と提携している小児科内科が、「風疹の定点観測所だから無料で検査してあげれるよ。」と言ってくださったので行った。
検査は喉の粘膜を長い綿棒で擦ってとるもので、グリグリされて ちょっとオェってなった。
すぐに(2~3日くらい?)結果が出ると聞いていたけど、結局結果は仕事復帰してから、約1週間後くらいに職場に連絡が入った。
抗体の値だけ聞かされる血液検査とは違い、遺伝子型まで調べて下さっていた。
私の場合は確か『2A型』だった。
※2Bの間違いでした。
小児科内科の先生は女医さんだ。
電話口で、やはり風疹に感染していたということと、遺伝子型、風疹にかかってしまった時に相談出来る病院を教えてもらい、自宅から2時間程かかる大きな病院に行くことを薦められた。
その先生はしきりに
「An Happy BIRTHという選択をしてもいいんよ。」
「私は、自分の子を妊娠した時、色んな検査をして、障害がないから産んだ。障害があったら産まなかった。」
「絶対、1人では生きていけない赤ちゃんが産まれて来る。将来あなたが死んだ後の事まで考えて、その子をどうするのか考えないといけない。」
「沖縄で風疹が大流行した時に、私は医者として居た。その時に産まれた赤ちゃんは、頭は小さく、目は1つ。心臓は単室単房(4つに分かれるハズの心臓が2つにしか分かれない)。とても人間の形相とは思えない子だった。あなたはそんな赤ちゃんを産む覚悟があるの?」
と言っていた。
人間の形相じゃない赤ちゃん…。
そんな子を産んで愛情をもって育てていけるのか…。
想像をすると、やっぱりちょっと怖くなった。
でも、こないだ産婦人科に血液検査をしに行った時に、医師がすごく嫌そうに
「とりあえずエコーしときましょうか。(どうせ不整脈とか出て来てるハズとでも言いたそうに)」
と言いながらとったエコー。
そこには規則正しく動く心臓が映し出されていた。
心拍を画像にしてみても綺麗な波が何個も並んでいて、
「……今のところ問題はなさそうです。」
と医師は不満気だった。
ド素人ながらも私は その規則正しい心臓をみて大丈夫だと変な確信があった。
今も必死に生きている小さな小さな赤ちゃんの生命力を信じようと思った。
小児科内科の女医さんに言われた言葉は少しひっかかりながらも、頭に浮かぶのはあの元気な心臓。
この時、実母すら
「今回は1回お空に還して…」
と、産むことに反対していた。
『今、この子を守れるのは私しかいない。』
そう強く思った。